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もちろん偽物が出るっていことはそれだけ愛されていたという勲章なのだ (完結作品)

作: merongree


それは、と流石に鈍感なしつもんばかり、彼女に石打ちの刑みたいにくらわす
私でも、それ以上訊くのをためらった「それはむごいね……」神様が、あなたに
与えた運命がとてもむごいね、という意味だったのだけれど「いやあげたりあげなかったりだよ?」と、余りにもあっさり、それは彼女の誇っている知的レベルの高い宇宙人としての誇れるスタンスなのだか知らないけど、あっさりと「相手の自殺願望にたいしては、血を欲しがる相手の望みをかなえたりかなえなかったりなのだ」ということを無表情のまま私に言った
好きになる事も嫌いになる事も避忌しているらしい彼女だし これまで一緒に生活してきて
どうやらそういうスタンスらしいっていうことはもう慣れているはずだったのだけれど
「なんか、いまだったらあなたのさああ、」と私は頭をふらつかせながら、ついこんな事を口走った「あなたの、最大限にひどい告白でも、もろ手を挙げて受け止められる気がするわ。」とか言った 彼女は 感情がある程度以上になると全部驚き ていうか純粋な白熱というか「感動」に近いものになるのだけれど この時も目をほんの少し大きく見開いた 何故か彼女の目が手鏡のように見えたことをよく覚えている 「あのさあ、何かあなたが、とてもつらい決断をして、すごくひどいことをしてのけたというような告白があって、私がいつかそれを聞かないといけないようならいますぐしてください。」と酔っ払ってるみたいな勢いで言うと
彼女はその驚きを賭けごとのコインみたいに全部笑いのほうへと持っていって口の端で笑った「ぶはははあ、なんかそれに宛てはまるような話しをしていたら、あなた地球人だもん、聞いているうちにたぶん老衰で死んでしまうわ。」と笑えない宇宙人ジョークで言った
彼女がざっくり、そしていきなり話してくれたことは
あとから思い起こして見ると「いきなりそれを話すのかよ」というような重い話しばっかり
あのとき彼女は真剣だった 少しでも下等な生き物に何か真摯な告白をするということが
彼女の生涯において必要だったんだと思う 息抜きみたいな意味で
私は愚かだったけどたまたまその役割を演じることが出来た
哀しいけど彼女との生活において私のがわの悔いはとくにない
彼女は私をうまく利用しきったと思うし 私も彼女の賢明さと不幸さが好きだから
私を利用せざるを得なかった彼女の人生は 美しいという言葉が似合うぐらい興味深くて
面白くてひとをなやませよく惹きつけるものだと思う 部分的にもその当事者になれたのは
私の人生のなかでとてつもなく嬉しいことのひとつだったな 嬉しいことは起きている時はまるでただ単純な石に殴られているだけのように感じる場合が多々だけれど

タラの嫌でとてもいい話し:タラの血は偽物が造られたことがもちろんある・タラの手で
「べんきょうしてるんだから当たり前か。」と言ったら「そうね、」とそのまま受け流すような返事をした「でもさあ、献血車とかって地球にもあるけれど、なかなか人工の血って造るのむずかしいんだってねえ。だからひとの血を貰うしか出来ないんだってねえ。」「あつめた血がどこに行っているのかってあなたは見たことがあるの?」と言われてどきりとした「いやよく分かんないけど病院の冷蔵庫みたいなところに行くんじゃないの?」「私もふと思っただけで、地球ではどうなってるのかは知らないわ。」じゃあ何か訊くなよと思った 何か思わせぶりに何かあるみたいに尋ねるなよって憤慨した エリーといると彼女のしつもんよりも賢くいないと友達でいて貰えないんじゃないかというような危倶が絶えずあるのがちょっといやだった
「……タラではどうなってたの?」「みんなどこに集められるか知ってたわよ、地図がかけるぐらいに。」そのひとの血管のなかまでの道のりがどれぐらいあるかまで誰でも書けるぐらいによく知らされていたわ「私たちが疑いを持つということだけでも恐れてたのね、宇宙全土がね。」と言った なんか恐るべき規模の恐怖で 宇宙くまなくみてもそんなにこいつら珍しいのかよという気がした「インフルエンザの予防接種みたいに、定期的に血を集める車が学校にきてね。」ときどきはタラのひと、ときどきはタラでない先生がやってきて、みんなにお話をするところから始まるの。今回の戦争で協力している側が主張しているスローガンを分かりやすく短冊形に切った紙に書いて持ってきてね、黒板のまえに貼るわけ。そして戦争の意義についてと、子供ながら献血に参加することの意義、また使用する道具のいかに安全で最新の研究に基づいているかなどについて、1時間の講義をしてくれたのちにさあ隣の部屋へ行きましょうって言うのね。あと説明においては、私たちの血がどこの前線にいる兵士の身体のなかに入るかってのをせつめいして貰える。あなたの血は蒸発するわけじゃないのよ、1時間後にはどこで戦っているのよって言われるの。もう逃げられないよね。あと1時間後には自分があげた血が流されるのかもしれないと思うと、戦っている気にもなるし。「テレビみてて思ったんだけど、選挙運動みたいな感じだったこっちの。というかアメリカのかなあ。あの明るい感じがなつかしかった。何にもよく分からないんだけど、とにかく浮世絵みたいな明るさのなかに放り込まれて自分に何の汚れもないように感じられた。正義のてるてる坊主みたいな感じよ、自分が。選挙運動で演説を受けているがわなんだけど、当事者なのはタラの子供たち。自分たちが、ほかの星の戦争を勝たせてあげて、大統領になるっていう話し。ははは。」と言った 子供はさすがに戦場には行かないかあと言ったらそりゃ子供はね、身体が小さいから大した量をとれないし、「だから思想教育がメインだったんでしょうよ。」と冷静に言った そういう事を言われれば、子供のときに予防接種を受けたり、何かの訓練を受けたりしたのも、意味があるとかないとかいうより何が正しい知識なのかを植えつけられる時間だったのかなあとかだらしなく思った

それで偽物の血の話しは?と言ったらああ、と言った「そのまんまよ、私たち実はニセモノなんですって言おうとした話し。」と彼女は少し先走った 「生物学者が人工のタラの血を造るのに成功したっていうニュースはかなり有名になった。こっちでいうと石油にかわるエネルギー資源が発見されましたていうような具合に。」と彼女は言った 石油はなるほどなあと思ってしまった 「偽物のタラの血を被験者に入れたら、それでも痛みを感じなかった。」「え、すごいじゃん、っていうかそれ麻酔っていうこと?」「麻酔の別名に偽物のタラの血っていう意味の言い方があるけど、いまあんたがそれを知ってるのかと思って驚いたわ。知らないよね。地球が鎖国してるんだから、地球から出たことが無いんだし。」ごたくはともかく、麻酔と違って、身体は普段通りに動けるのに、痛みだけ感じないということと、また重大なことには陶酔感というか多幸感っていうのか?一度それを味わうと止められないと思うぐらいに幸福な甘い気持ちに見舞われるのもタラの血のなせるわざらしく 単なる停止ボタンのような麻酔とはちがった性質のわるさが特徴らしくて 「多幸感までいかないにしても、まあお酒みたいなものを開発したんだったのよ、彼女は。」それで、タラが注射しないで済むようになったの?と言ったら「いずればれるとは、分かっていたと思う。」とエリーは言った「あのねえ、錯覚なんです、私らの血でふんわりした気分を味わえたり、痛みがなくなってるっていうのは錯覚なんです、気のせいなんです、タラなんて本当は絶滅してるんです、って言いたかったんだと思う。本当はタラがそれを起こしてるんじゃなく、注射された側が、そう願っていることが現実になっているだけで、私たちの功績や呪いなんかなあんにもないんです、って言いたかったんだと思うのね。」と彼女は、いま注射痕がそこにあるのかと思うぐらいに長袖のうえからぼりぼりと強く肌を掻いた
 「あ、」と私は何か具体的な暗示を彼女から受けたみたいに思って言った「好きでも嫌いでもないっていうのは、完全に理解が出来るような状態ってことね。」と言った そのひと理解されるために、タラが好かれている理由をお茶碗みたに割ってしまって、もう同じだけの好意を盛りつけてタラでないものに、されないようにと思ってそんな、すぐばれるペテンをやったのね、といったらぴんぽーん、とか言うからそれ既に地球でも古いよって教えてあげた

※この小説(ノベル)"もちろん偽物が出るっていことはそれだけ愛されていたという勲章なのだ"の著作権はmerongreeさんに属します。

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