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きみがミネラルを溶かし切る間僕は鼠の尾を齧って待つ (完結作品)

作: merongree

なんだろう
そのときに起こったことを言えるようなことわざとか
あったらなら重宝する
ミネラル・ウォーター みたいな語感だ
ミネラルがたぶん幼馴染で ウォーター 何でも溶かすそれは
見たことのない宇宙からきたひとなエリー
そういえばエリーと身近に暮らしては居ても
じっさいに宇宙に行ったことはないんだった私
なんかそれが不思議で
まるでお母さんがずっとそう思っていたみたいに エリーは留学生
であるかのように 行ったことのない国から来た外国人とかぐらいに
簡単に受け入れていたんだけれどそれは エリーが私たちの生活に
もともと縁のない異物だったからだろうなあって思う
エリーは私が裸足の足で踏み抜いたダイヤモンドが 摘出されたみたい
浩明の異物感はなんだろうな 留守番のときに誤って呑み込んだ指環
ここでの異物感のちがいはとくに説明しない あんまり意味ないから
私は皆既日食をみているような荘厳な気持ちで
あとほんの少しでその性質の違う石同士が見事に
それぞれの意志を全うしながら衝突するのをまってた
ほんとうに文字通り期待して見守っていたと思う
急展開ってなんだろうねあれは
なんかいきなり来て現実にあるものをぺしゃんこに潰していく
それまであんなに角までピンと立って私の目の中にある生活を
圧迫し潰して圧縮してくれていたような箪笥とか鉛筆とか全部
まるで空中の塵かなんかのように簡単に踏み潰してくれていく
私のいちばん大事な塵のエリー 宇宙人のくせに我々と言わない
「君ら」っていう 君らとかあなたたちとか私たち地球人を複数形で
言うへんな宇宙人エリー
何故なら彼女はすでに単独だから 要するに彼女には誰もいないから

これなんだよってその、つまり彼女らがもうセックスと言う野蛮な、
風習を必要としていない証拠として見せられたあの子供の種の錠剤を
瓶ごとみせられたら彼らの間で親子というのがどんなものかが
何となく分かったような気がした 確かに我々の間にある愛情表現が
野蛮に見えるはずだ 
そしてそれを作った人が愛情というものをどんな眼で見ているかも
その完全に白くてほんの少し表面のざらついたその形状に顕れてる
気がした

これでいいんだよ私たちには、って「君ら」に対比するのに
私たちって彼女が、
言ったあとエリーはへんなお母さんになるねえ、って私は慰めのように言った
そんな無機質な宇宙人の間でもエリーはきっと何か特別だよって言いたかった、
でもへんとか不格好とか言われることに猫が踏まれたような反応で
驚く彼女は何でそう思うのってかなりきつい目でにらんできた 
そうじゃないよ、って私は笑うだけにしておいたけど、彼女は少し
自分のなかで私の態度を検討したのちに、
でも赤ん坊に体液を呑ませるような人間に似ているとも思われたく
ないからいいと自分で勝手にけつろんを出してた

彼女は平和主義だった 
彼女らのところで歴史なんて別に習わなくても血や肉に
先祖の先祖どもが何らかの理由によって争った戦いの痕跡 
煙幕や弾丸が色濃く
残ってしまっているらしくて 己の身体のどこを取って与えても
ただの猛毒だと分かっているとかで
だから赤ん坊みたいなものにそれを与えるのはヘロインを注射する
シーンみたいに恐ろしげにみえるらしくて 何か 
自分だけじゃなく地球人にもそんな野蛮なことをするのをへいきで
己の中で禁じていて それが破られるのを自分が血を流すことの
ように見まいとしているエリーだった 
エリーは苦労したと思う

だから私らが普通で理想だと思っている乳を与えている
聖母のような母親のことなどエリーには赤ん坊のあざらしを突進してきて取るシャチか何かのように見えていたと思う
ああいうもののようだと言われることのほうがずっと嫌だていって
身をすくめていた
エリーの平和主義はでも全然安楽な平和をイメージしたようにも見えず
何かを我慢することに全員が同意したときのシーンとした部屋みたいな感じで
私がもう少し注意深ければこのころのエリーが 地球にはずっといる気がないとか
言っていたそのエリーが何を志向して 何を真綿で包みながら
刃物のようなその考えを己のなかに閉じ込めていたか
ただしそれを理解のように他人に呑ませてしまうようなミスを犯すことを恐れていたか気づけただろうになって思う
まあいいや そしてこの頃、とくに母親の乳の話しなんかしたときの
エリーがじっさいに
どんな言葉を選択してそのことを言ったのか私のなかでひどく曖昧
私たちはたまにエリーの星の言葉で 宇宙語で話していたのじゃないかと思う時さえある
私が理解しようと努めすぎてその言葉そのものより 彼女の表情やら仕草からその言葉を
解釈しようとし過ぎたためなのか 彼女が私に正確に記憶させまいと
掴みどころのない言葉を選んでいたのか それも不明

浩明は人工衛星が地球に落下してくるみたいに静かな軌道で彼女に近づいた
バカみたいなハリウッド映画の血走った殺人鬼とは違ったけれど
プロムパーティーを血祭りにするような明るい血の気配は感じられた
そんなクリスマスツリーみたいな変な非日常性をどことなく垂らしながら
私が日常的にエリーと枕を並べているその部屋に踏み込んだ
引き戸の戸をすっと刃物を鞘から抜き取るみたいな静かさで開いたときに
中では蛍光灯の光がらんらんとついていて浩明の身体反面を白く濡らした
私はまた自分の生活が荒みだすときのきっかけとなる光景のその場面が持つ
野蛮でありながらも既に年老いた母親みたいな慕わしいあの醜さを感じた
ああ私はいまからこの場面のこの光景に育てられ この不幸の乳を吸うんだ
そういう大きな赤ん坊に私はその光景に一撃でされたような気がした
私は即座に頭を垂れてその光景につづくことを総て承諾したみたいなものだ
いつもそうなのだが

いったいミネラルがウォーターのなかに飛び込むということなどは
ただ潜むように大人しく 従順とさえいえるほどに私たちの生活様式の通りに
生活し 遠慮がちなように暮らしている曖昧で半透明なような宇宙人が
(プライドは圧倒的に高くて地球人と同等など思ってもみないけれど
野性でもはや貴重な生き物に対するだけの一定のリスペクトみたいな
ものだけして)
おおよそ野蛮で運動会で走る子供のように奮闘していて情熱的で
とても単純で 誰にも否定できないような致命的に幼い動機からくる
正義感をそなえていてそれを
発揮する機会をいつも沸騰したがるやかんのように身の内にたくさんたくわている
そんな上気したいやになるほど生命的 それも自殺に向かう生命的な
幼馴染の手で
引きずり出されてあぶり殺される それは私の大事な内臓を生きたまま
手づかみにされて引きずり出されて拷問されるほどに辛いことだった
けれど私はただ普通に ただ普通に生活しているだけでそれぐらいに辛かった
生きているだけで普通に摩耗した そんな事が起こるのは普段の生活
から慣れていた
だから別に辛くはないというか当たり前に起こる辛いことのようにも感じられた
抵抗する意志がほとんどなくなっていたのは最早習慣だったから
私はいつもの通り猛烈に行動する創造的な不幸そのもののような
怒れる浩明のあとを金魚のフンみたいに大人しくついて従ってた

あんたに聞きたいことがある、といって浩明はエリーのほうへと
近づいた
エリーは部屋のなかでプレステやってた 
テレビの画面変えたり機会を引っ張り出したりソフトを突っ込んだり
するのにそんなに間があっただろうかと思うが
宇宙人なのだから別に何も驚くことはないのだ 宇宙人なのだから
それで彼女じじん別の部屋に入ろうとしているみたく顔が紫色の光で
濡れてた
あーうんってものすごい流暢な日本語で言った 
どーぞー入っていいよみたいな感じで
エリーはたまにトイレノックしても排泄している訳じゃないから実際には入っていいよーとか言うことがあって
本来なら入ってます!って主張するんだよって言ったりしたけれど 普段から面会謝絶みたいな態度でいる彼女はノックされると
誰かがそこにいるという事にむしろ耐えられないのかすぐに現れろと
いつも言った
そんなこと考えてたら場面を見失った 気づいたら浩明が
壁からコードを引き抜いたうちの電話の親機を使ってエリーの後頭部
をバーンって一発殴った
私は動物の尾のように見えたその白い紐が電話のコードが切れたものだと理解するのに
何秒かかかった

※この小説(ノベル)"きみがミネラルを溶かし切る間僕は鼠の尾を齧って待つ"の著作権はmerongreeさんに属します。

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