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作:
厘

いつになったら、気づいてくれますか・・・・・・?
「両想いって気づいてるっしょ」
親友に言われた時、一瞬彼の方を向いた。
そしてまた顔を親友の方に戻すと、親友と目線を合わせないように言った。
「バッカじゃん、そんなのただの噂よ。」
あくまで冷静を装うが、顔が真っ赤なのは多分バレてる。
「ふーん・・・・・・」
親友はそう呟き、彼の方に走ってった。
彼と何かを話しながらこっちを指さしてる。
(なんだ?)
変な事言ってんじゃないでしょうね。
彼が一瞬こっちを向いた。
(ヤベッ)
顔をそらし、反対の方向をむく。
チラッと見ると彼は顔を少し赤くし、必死に何か言ってる。
(なんでそんなあせってんだ?)
不思議に思ってると、彼の隣で笑ってる親友が目に入り
胸が少し痛んだ。
『見ていたくない』
そう思い、教室を出てった。
胸がさっきよりズキズキ痛む。
『二人は何を話してるのかぁ』
頭の中でグルグルとそんな思いが回る。
廊下を早足で行き、裏庭に出た。
「あれっ?」
いつもは誰もいない裏庭には先客がいた。
同じクラスの、えーっと、・・・・・・・・名前忘れた。
たしかよくモテるチャラチャラした奴。
気持ちよく寝てるし・・・・。
起こさない方がいいのか?
そう思い、他の場所に行こうとしたら・・・・・・・・・・
「何処行くの?」
腕を引っ張られた。
「怒ったような泣きそうなような顔してきてさぁ、
俺の寝顔見て更に気分悪くなりましたーみたいにして。
イキナリ勝手にどっか行くのって失礼じゃね?」
「・・・・・・・・・・」
そいつは頭をポリポリかいてあたしをじーっと見た。
「いや、黙ってても解んないんだけど。
俺なんかした?」
「・・・・・・・・・・べ、別に!さっさと手離してよ!!」
「・・・・・・・・・なんで?」
「理由なんて必要ないじゃない!あたしが動けないからよ!」
「そんな目に涙溜めて言ったってなんも恐くないんだけど?」
「うっ、うるさい!!」
あたしは思いっきりそいつを睨みつけてやった。
第一、目に涙なんか溜めてないし、
泣きそうな顔だってしてないっ!
「どーせ此処以外に人がいないトコなんてないよ?
そんな顔でどっか行っても恥かくだけだぜ?」
「・・・・・・・・・・・・っ」
「だからさ、その顔が直るまでしばらく此処にいろよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ、うるさい!!」
強引に手を振り解き、走った。
やさしくするな。
私に触れるな。
あの人以外は・・・・・・・・・
ダメなんだ。
俯きながら全速力で。
何処か、誰もいない所を探した。
ドンッ
「ごっ、ごめん!大丈夫!?」
あたしは俯いてた顔を上げた。
「!?」
ぶつかった相手が不幸にも彼だった。
その時、涙が頬を伝った。
「ちょっ、あっ、待って!!」
彼に呼び止められてるのは気づいたが、それでも走った。
『最悪だ』
『こんな、』
『こんな所を・・・・・・』
『小さい頃から滅多に泣かなかった私が、なんで今回は泣いたんだろう?』
体育館倉庫に閉じこもり、一人考えた。
涙はまだ止まるのに時間がかかりそうだ。
「ひっく、なん・・・でっ、なんでだよぉ・・・・っ」
答えは自分でも解ってる。
解ってる、
ハズなんだ。
なんでこんなに苦しいんだ。
あいつの事を思うと、
全てにイラつく。
全てに悲しくなる。
(なんで泣いてるんだ・・・・・・!?)
そう俺は思い、彼女が走ってた方向に走ってく。
『しばらく此処にいろよ』
偶然にも、不幸にも聞いてしまった会話。
俺は彼女と挨拶すら交わしたことがないのに。
「何処なんだ・・・・・・・・・・っ!」
好きな人が泣いてるのに、
何も出来ないなんて。
なんて俺は馬鹿だったんだ。
あいつならいつも見てるから、一瞬でわかるのに。
一万人の中からでも、
一億人の中からでも、
一瞬でわかるハズなのに。
俺はその場で座り込んだ。
あいつは・・・・・・・・・、
俺のことなんて、ただのクラスメートにしか思ってないんだろうなぁ。
だからさっきも、
「ひ・・・・・・っく、うぅっ」
・・・・・・・・・・・・・・・かすかに、何かの声が・・・・・。
バッと立ち上がり、声の聴こえた方向に全速力で走る。
「なん・・・っで、なん・・・・だ・・よ・・・・ぉ。」
ハッキリと今度は聞こえた!
アイツの声だ!!
「オイ!!!」
「え・・・・・・・・・・・っ」
彼女は、体育館倉庫の隅で小さくなって泣いていた。
「何・・・、泣いてるんだ・・・?」
荒い息をおさえ、俺は彼女の頭をなでた。
彼女はしゃくりあげながら顔をうずくめてる。
「なっ、な・・・っにも・・・、ない・・・っ」
一瞬、頭が真っ白になったが、それは次の言葉でかき消された。
「大好きな奴に・・・っ、泣き顔を見られただけだ・・・・っ」
俺は思いっきり抱きしめてやったんだ。
『大好きだ』
全校生徒の前で叫んでもいい位、俺は嬉しかった。
いつになったら気づいてくれますか・・・・・・?
いや、
もう
気づいてるよ。
※この小説(ノベル)"気づいてるよ。"の著作権は厘さんに属します。
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