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手探りの介護(2) (執筆中)

作: kaigosaburai

  《2005年3月》

   「お供え」

2005/3/1(火) 午後 1:06
某月某日 夕食後の私と母の会話だ。母はいつものように、ティシュの箱にせっせと手を伸ばし「お仕事」をしている。そのお顔は真剣そのものである。声をかけるのも、はばかれる程の迫力だ。(ティシュを一枚一枚丁寧に折り畳んで重ねていくのだ)。

「お袋ちゃん、そんなにようけ出してどうすんのん?」ティシュ箱が空になるのを恐れる私。そんな、母に声をかける私の何時もの質問である。

「せな、あかんねん、だれもできひんやろう~」と、当然と言わんばかり。

「うん、そ~やけど、多すぎるのんちゃうか?」さりげなく言い、止めさせなければならないのだ。

「なにゆ~うてんの、まだ、すくないで、よ~うけいたはるから」私の思惑を見透かすように。母はティシュを一枚一枚丁寧に折り重ね、どんどん積み上げていくのだ。

「何処にいたはるん?」話題を変えてみる私。

「あっちこっち、おくらなあかんやんかー!、あんた、そんなこともしらんのん!」

「いや~、分かってるけどな、何時、送るん?」逆らわずに、慎重に言葉を選ばなければならないのだ。

「きょう、おくらなあかんやんかっ!」(そんなこともわからんのかー)と、言いたげな母。

「できたら、すぐに、にいちゃんおくってや~」と、悠然と言う。

「もう、晩やで、今日は送られへんで、遅いからな~」迫力のない私の声。

「なにゆーうてんの!、おくらなあかんやんか、まってはるのに、そやろー!それもわからんの、あんたわっ!」やっぱりだ。
母はこうした、会話中も手を休めることはしない。ティシュペーパーの1箱が全て無くなる時もある。箱の中身が半分くらいになった折を見計らい、声をかけるのが、被害を最小限に食い止めるタイミングである。

「明日な~学校(デイケアでお世話になっている介護施設のことを母は学校と呼んでいる)やから、半分残しときや、学校に持っていかなあかんから、なっ!」兎に角、矛先を変えねばならない。

「あした?、がっこうか~っ?」

「そうやで~、明日、学校行く日やで、疲れたらあかんから、もう仕事やめとき~や」

「もうちょっとなっ」母が少しその気になった。よーし、もう一押しだ。

「ほんだら、もうこれだけにしとき~」丁度ティシュ箱の半分くらいの作業が終わった頃、私は手を伸ばし箱をそ~っと、母の手の届かないところへ、移動させた。ここで諦めてくれると、この日の母のお仕事と、日課が全て終わる。折り畳んで、積みあがったティシュを指差し。

「これ、どうするん?」と、母に尋ねる。

「おそなえするねんやんかー!」はい、そうである。これは、亡き親父の仏壇へお供えする、母手作りの「お饅頭」なのである。断じて、ティシュの固まりでは、ないのだ。



   「わかれへん! 」

2005/3/7(月) 午後 8:50
某月某日 真夜中、この日、母は3回ほどおトイレへ。

「おねさ~ん、おね~さん」母の声。四つん這いで母が私の寝床へやって来た。時間を見ると午前3時過ぎだ。私の顔を見るなり母が。

「はよー、にいちゃん、べんじょ、べんじょー」

「分かった、わかった、お袋ちゃん」母の両手を取り、ゆっくり立ち上がらせる。二度腰を圧迫骨折している母を立ち上がらせるには、少しばかりコツがいる。両手を私の肩につかまらせ、私は両手で母の腰を支え持ち、母の腰に負担が掛からないように持ち上げるのである。母は切迫している。(抱き合うような格好になる)。

「なにしてんのー、にいちゃん、はよう、してーなー」

「お袋ちゃん、慌てんでもええから、大丈夫やで~!」ほぼ毎日経験していることだから、それを踏まえて対処すれば良い。私の頭の経験回路がそう言っている。先日来より、母のトイレでの粗相が増えていることも織り込み済みだ。おしっこと、うんち、では便座に座らせるときの位置が微妙に異なるからである。

「はい、行くよ、ええか~、間に合うよ、心配せんでもえ~からなあ」

「もう、でそうやねん!」

「もうすぐやから、おしっこか、うんちか」私の経験則が、思わずそう言わしめた。すると、母が怒鳴った。

「わかれへんっ!」

「うんーっ!?」私は思わず、ツバを飲み込んだ。母の言う通りだ。何が出てくるかは、分からないのだ。私は、また一つ経験を積んだ。母は、かくして、私を教育してくれるのである。まだまだ、勉強が足りない。



   「このひと、おかしいんとちがうか?なーっ、にいちゃん!」

2005/3/9(水) 午後 0:55
某月某日 今日は、月に一度の母の診察日である。自宅から徒歩で3分(母にすれば、2回は休まなければならない距離)の20年近く通っている診療所へ行く日。

「にいちゃん、ここどこ?なにすんの~、これから~」と何時も聞く母。

「悪いとこないか、診てもらいに来たんやでぇ」

「00さ~ん、こんにちは、お兄ちゃんと一緒、ええね~」と顔見知りの看護師さんの、何時もの明るい声。

「うん、にいちゃんといっしょにきてん!」母も笑顔で答える。待つことおよそ30分。

「もうかえろ~」と、何度も言う母をなだめすかして、順番待ち。

「母と私のデコチンとデコチンを合わせて、ベーっ、ベーっ」それに飽きると。母の足の裏のマッサージ。いつしか、母は大欠伸。やがて、、、。

「00さ~ん、6番の診察室へどうぞ」のご案内。

「ねむたいやんかー、どこいくのん?にいちゃん!」

「先生に、お袋ちゃんの身体、診てもらうんやでぇ、早よ行こか~」

「わたし、わるいとこないで~、はよかえろ~な」病院は、私とて、早く帰りたいのだ。

「うん、すぐ済むから、ちょと診てもろてから帰ろ~なっ」

「ほんまに、すぐ、おわんの~」診察室へ、母を。

「はい、00さん。ゆっくりでよろしいよ。腰掛けて下さい」実は、今日は特別の診察日。先生は認知症(痴呆症)の専門医である。

「00さん、これから、この机の上に置いてあるものを、ちょっと覚えてくれるかな~」と、先生は机の上に置かれた四つのもの指差し、母をうながす。

「はい、このハサミをおぼえたらいいんですか?」と母。

「はははっ~、おもしろいこといいはるわ~このひと。なぁ、にいちゃん!」何の屈託もない。

「これ、ハサミやんか、な~にいちゃん?」

「うん、そうやな~」すると、先生は机の抽出しを引き、いままで置いてあった机上の四つの物を抽出しの中へしまいこんだ。

「00さん、いま、何と何があったか分かりますか?。分かったら、ちょっと教えてくれますか?」机上には当然のことながら何もない。

「なにもないやんな~、にいちゃん?」

「いま、あったでしょう、何があったか、思い出せませんか?」と、母の顔をみながら先生が。

「このひと、おかしいんとちがうんか~?なーっ、にいちゃん?」(あほらし~、と言わんばかりの母の表情)。机上には、何もないのだから、母の言うことは正しいのだ。

「はい、結構です」と、先生も一言。待ち時間約40分。診察約3分。まぁ~何時もこんなものである。これで、半日が終わるのである。



   「母、家に帰る」

2005/3/11(金) 午後 1:13
某月某日 時計が午後10時を回った。そろそろ、座椅子でうたた寝をしている母を、おトイレへ連れて行き、洗顔し、歯磨きをさせて、寝床へいざなう時間だ。

「お袋ちゃん、お袋ちゃん、もう、寝よか?」

「うん、ここでとまるのん、イエかえりたいっ!」と、母。マンション生活は、母には馴染めないのだ。

「もう、イエかえろう?にいちゃん」

「ここが、お袋ちゃんの家やで」ゆっくり、納得させなければならない。

「ここどこやのんっ!」

「そやからな~、此処が、お袋ちゃんの家やんか~」と、やんわり。

「いやや、こんなとこ、しらん、わたしな~、さびしいねん、はよかえろうな~」

「忘れてしもうたんか、分かった、ほな、家帰ろうか?」これ以上、母を不安にしてはならないと判断。母の表情がそう言っているからだ。私は、母を座椅子から抱き起こし。

「外は寒いからこの服着よな」母にオーバーを着せ、玄関へ、ドアを開け、母の両手を手押し車に捕まらせ、リハビリシューズを履かせる。マンションの廊下に出る。エレベーターに乗せ1階のボタンを押し、階下へ降りる。1階のエントランスをぐるりと一回りして、再びエレベーターの前に戻る。

「さあ~、お袋ちゃん、これに乗って、家帰ろう~か!」

「これにのったら、イエにかえれるのん?」母の表情が明るくなる。

「うん、そうやで、早よ帰って、早よ寝よな、明日、学校やからな」

「あした、がっこうか?」

「そうやで、お袋ちゃん、学校好きやろ」

「がっこうで、なにすんの~」

「明日はなっ、カラオケ大会やで、お袋ちゃん、歌好きやろう」

「うん、ウタ、すきや!」

「さあ~着きましたよ、早よ家に入って、寝ましょうかっ!」

「どんな、ウタ、うたうのん?」

「そ~ら、ちゃんと先生がな、お袋ちゃんの唄いたい歌を、唄わしてくれんねんでぇ」

「それやったら、ウタうわ~」母が、ニッコリ笑って、嬉しそうに私の顔を見上げた。

「母のデコチンに私のデコチンを合わせて、ベーベー!」

「なにすんの~、このコは~」と母。その顔は笑ってる。

PS:10年前の阪神淡路大震災で我が家は半壊しました。それでいまは、このマンションに引越してきたわけです。以来、母は痴呆症(当時はそう呼んでいました、今は認知症)となりました。私は母を通して、同じような状況になられた沢山のご家族を見て来ました。最悪な事例は心中でした。いまでも、多くのご家族の方々が介護を巡って、悲惨な状況に追い込まれています。どんな状態になっても母は母であります。



   「だれが、ふくん!」

2005/3/14(月) 午後 0:39
某月某日 今日も恙なく。

「お袋ちゃん、そろそろ寝ましょうか?もう、10時になったよ!」と、私は掛け時計を指さした。

「う~ん、もう、そんなじかんか~」母をトイレへ連れて行き、寝る前の家族二人きりの儀式が始まった。

「ここで、するんっ?」洋式のトイレを指さし。

「そうやでぇ」

「シィー、チョロチョロ、にいちゃん、でたわ、ふふふ~ん」と母がニッコリする。いい笑顔である。

「良かったな、ちゃんと出たな~」私が、トイレットペーパーを、グルグル巻くのを、母は悠然と眺めている。

「そんなよ~けいらんで」と、母は何時も言う。

「このくらい、無かったら、拭かれへんよ」

「どこ、ふくん」

「お袋ちゃん、のお尻やんか?」

「だれが、ふくん!」私もこのくらい、泰然としたいものだ。はい、もちろん私である。この家には、母と私の二人きりだ。



  「わー、うれしいー!」

2005/3/16(水) 午後 1:17
某月某日 寒の戻りで、この数日は、粉雪が舞うほどの寒波。母は連日。「にいちゃん、さぶいねん、もっとかぶせて」と言う。毛布を二枚重ね、さらに羽毛布団、敷き布団も毛布に取り替えた。それでも、母は、夜中に幾度も目を覚まし。

「にいちゃん、さぶいぃー、さぶいやんか、かぶせてぇ~」と四つん這いで、私の寝床へやって来る。連日のこの母の波状攻撃には、さすがの私もダウン寸前である。

「お袋ちゃん、これだけ、かぶっとったら大丈夫やから、ゆっくり寝~や」と、連日母に言い聞かせる。

「カゼがな~くるねん、とぉ、しめてへんのんちがうかな~」

「戸はちゃんと閉めてあるよ、カーテンもほら締まってるやろ~」

「そうかな~」と母。

「そうやでぇ」と私。これ、真夜中の何度目かの会話である。私の起床時間の、午前6時半頃まで繰り返し続く。そして、夜明け。

「お袋ちゃん、お早うさん!」

「にいちゃんおはよう~」

「もうちょっと寝るか~?8時になったら起こしたるからな~」

「うん、ねむたいねん、もうちょっとねるわ~」飛鳥大仏のような、母の寝顔である。お湯を沸かし、お茶の用意、身支度を整え、5分で朝食を済ませ、母のデイケアへ出かける準備をする。今日は、入浴のある日だから、大きい方のカバンに、バスタオル、タオル、肌着上下、履くオムツ、お便り帳、腰痛ベルト等の一式。そして、これを忘れると母が本気で怒る、ティシュペーパー1箱。以前これを入れるのを忘れて母に、「わたしをバカにしてんのんかっー!」と叱られたことがありました。朝食の用意が出来たので、母を起こす。

「さあ~、ご飯食べて学校(介護施設を母は学校と呼んでおります)行こなっ!」

「うん、きょうは、がっこうでなにすんのん?」

「お袋ちゃんの好きなカラオケ大会やで~」

「どんなウタ、うたうの~?」

「お袋ちゃん、の好きな歌やったら何でも、唄わしてくれるよ!」

「わ~、うれしいぃ~」と、母は満面の笑顔で。

「にいちゃんもいこう!」と言ってくれる。このところ、毎朝の、母と私の会話である。



   「にいちゃんばっかりつこ~てごめんね!」

2005/3/21(月) 午後 0:30
某月某日 この日は母と一日中、二人きりの親子水入らず。朝、私は何時もの時間、6時半に起床する。隣の和室で寝ている母が、気配に気付き。

「にいちゃん、もうおきたん?」

「うん、起きたよ」

「なんじですか?」と、母。

「まだ6時半やから、お茶の用意できるまで、寝といてえ~よ」

「そうですか、ありがとうございます、もうちょっと、ねかしてもらいます」と母。
やがて。

「にいちゃん、にいちゃん、もうおきても、よろしいか~?」

「ええよ~、起きといでぇ」

「ありがとう、ありがとうね~」と言う母を、おトイレへ連れて行く。漬け洗いしてあった入れ歯を、お湯ですすぎ、母を洗面所へ。

「わーっ、ぬくいは、きもちええは、にいちゃんありがとう!」朝食を勧めると。

「にいちゃんがよ~いしてくれたん、ありがとうございます」と、ペコリとお辞儀する母。朝食が終わって、私が、食器を片付ける間中。

「にいちゃん、わたしがするからええよ~」と、母が何度も言う。私が、キッチンで後片付けをしていると。頭を何度も下げながら。

「にいちゃんばっかり、つこう~て、ごめんね!」と、繰り返し母が言う。母は認知症では無い。母は心の底から、男の私が、台所仕事をすることに、感謝してくれているのだ。



   「にいちゃん、スキきや!」

2005/3/24(木) 午後 0:33
某月某日 深夜の午前1時頃。
「にいちゃん、にいちゃん」と母が、四つん這いで、私の寝床へやって来た。

「どうしたん?」

「あのな~、わたしを、おいかけてくるひとがおんねん!こわいねん!」

「そうか~、悪いやつか?」

「そうや、にいちゃんどうしょう、こわいねん!」

「心配せんでもええよ、僕がついてるからなっ!」

「ふたりもきてるねんでっ!どうしょう?」

「ほな、ここに入りぃ」母を私の寝床へ入れ。

「な~んにも心配せんでええからなっ!」母が私の寝床へ、こうしてやって来るのは、日常茶飯である。最近は、誰だか不明だが、母をストーカーする奴が、いるらしいのだ。ほんの2、3分横になった母が。

「にいちゃん、おしっこしたい」

「うん、おしっこか、分かった、行こ~か」

「にいちゃんは、な~んでもよ~しってるな~」と、母。

「そらそ~や、お袋ちゃんのことやったら、何でも分かるでぇ」

「にいちゃん、かしこいな~」と、母。なんの屈託も無い。2~3回こうした徘徊を繰り返すのが常である。で明け方近く。

「おか~さ~ん、おか~さ~ん」と言う、母の声。私も少々、夢心地で聞いていたので、俄かには目が覚めなかった。起きてこない私に、母は突然、私の顔や頭を叩き始めた。思わず、目覚めた私に。

「にいちゃん、スキや!」と母が、ニッコリする。今日も元気だ。文字通り叩き起こされた私だが、痛さを感じたことはない。



   「いったても、ええよ~!」

2005/3/28(月) 午後 0:44
某月某日 先日、区役所の介護保険係りから、母の平成00年度介護認定の結果による、新しい保険証が届いた。結果は昨年と同様「要介護度5」であった。

「にいちゃん、それ、なんや?!」母は、私の一挙手一投足を見ている。母と私は一心同体なのか?。

「うん、これか?お袋ちゃんの通信簿やで~」

「なんてかいてあんのん?」

「お袋ちゃん、毎日な~休まんと学校行ってるやろ~」

「その、成績が書いてあんねんで~、良かったな、お袋ちゃん、去年、一日も休まんと学校行ったからな、先生やヘルパーさんが、誉めてくれてな~、今年も学校に来てもええよっ、て書いてあるんやで~」

「ふ~ん、そんなことかいたあんの、ほんだら、ことしもがっこういかなあかんのか?」

「そらそ~やろ、せっかく、来て下さい、て言うたはんねんから」

「がっこうで、なにすんのん?」

「お袋ちゃんの、したいこと、したらええんやで~」

「なにもしたないっ!」

「毎日行ってるやんか~」

「う~ん、いったことない、しらん!」

「お袋ちゃん、この唄、知ってるやろっ」

「どんなウタや~」

「♪カーラース、なぜ泣くの、カラスは、や~ま~にぃ~」

「あーっ、それしってるぅ~」

「そうやろう、学校行ったら、お袋ちゃんの知ってる好きな歌、唄わしてくれるねんでぇ」

「そうかいな、それやったら、いったても、ええわ!」と、母は嬉しそうにニッコリ笑った。いい笑顔だ。その後母は「にいちゃんも、いっしょかー?」と何度も聞くのだ。「当たり前や、僕も一緒に行くで~」と私も何度も同じ返事をするのだ。



   「オムツやてぇ!、わたしをバカにしてんのんかっ!」

2005/3/29(火) 午後 2:48
某月某日 今朝、母が、ちょっと、おトイレで粗相をした。

「あっーお袋ちゃん、ちょっと待って、汚れたからオムツ替えよ、なっ!」

「オムツゥ!」母が、キィッ、と私を睨んだ。

「そうや、ほら、ここ汚れたやろう~!」私は、失言に気づかず。

「だれがオムツなんかすんの!、わたしは、あかちゃん、ちゃうでー!!」母は本気で怒っておりました。ここでようやく、私は、母が私を睨んだ訳が。

「オムツやてぇー!、わたしをバカにしてんのんかっー!」

「ご免、ごめん、パンツや~」私は頭をさげて謝った。

「あたりまえやっ!、わたしはオムツなんかしてへんでっー!」(はい、お袋ちゃん、分かった、ご免)言葉一つ、難しいのだ。配慮に欠けた。


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