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作:
ぶるーりぃ
「報われない物語なんてない」
貴族の少女ユリンカは、貧民街の事件を発端とする事件を追ううち、自身の物語へ否応なく向き合うこととなる。
シェルレアン帝國帝都シェルレスタ。
華やかな都市を舞台とした陰惨な物語。
局面はどう転がっていくのか。
「君にはわからないだろう、使い捨てになる者の気持ちが。何ら束縛を持たない自由な君には。あの女について行って僕を捨てた君には」
※本作品は暴力的描写を含みます。
「シェルレアン帝國童話集・山羊姫カペラ」
むかしむかし、ちいさなやまには、ひとりのこころやさしいおんなのこと、こやぎがすんでいました。
おんなのこは、カペラという、しんだおかあさんにつけてもらったなまえがだいすきでした。
おんなのこはこやぎにもだいじななまえをつけてあげ、つつましやかにすごしていました。
おだやかで、やさしいせいかつ。
けれど、カペラのことを、やまのふもとにあるむらのひとたちはこころよくおもっていませんでした。
かのじょたちのことをみていると、ひっしにいきているじぶんたちがみにくくおもえてしかたがなかったからです。
カペラも、まいにちひっしにいきていました。
むらびとたちのために、くすりにつかうはなやきをそだてたり、むらでかっているうしのせわをいっしょうけんめい、しました。
けれど、むらびとたちにはそんなことはどうでもよかったのです。
むらびとたちは、カペラにいろいろないじわるをしました。
かのじょがそだてているはなをつんだり、おかあさんがたいせつにしていたペンダントをかわになげすてたりしました。
それでも、こころやさしいカペラはむらびとたちのことを、ゆるしてあげました。
ほんとうは、どうしてそんなことをするのかききたかったけれど、こわくてこわくて、とてもきけなかったのです。
じぶんがなにかしてしまった、とカペラはかんがえました。
こころあたりはなかったけれど、やさしいカペラはもしそうなら、いじわるされてもしかたがないとあきらめてしまいました。
まいばん、かのじょはむらびとたちにしられないように、なきました。
むらびとたちのいじわるは、どんどんひどくなっていきます。
とうとう、むらびとたちはこころやさしいカペラをころしてしまいました。
カペラはまじょだからむらにいてはいけないと、じぶんかってなりゆうでひにあぶってしまったのです。
ごうごう、と。
ひはカペラをようしゃなくやきころしてしまいました。
もえさかるほのおにむかって、こやぎのカペラがとびこみました。
だいじなともだちが、たったひとりでかみさまのところへいくのがさみしかったのです。
カペラのやさしいこころは、むらびとたちにはつうじませんでした。
それをみていたかみさまはたいそうおこり、むらにおおあめをふらしました。
おおあめはやがてこうずいになり、むらをのみこみました。
カペラはそんなことになるのがいやだったのに、やさしいこころはとうとうむくわれませんでした。
※この小説(ノベル)"Capella - 山羊姫の肖像 -"の著作権はぶるーりぃさんに属します。
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