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作:
ライカ

彼は若い頃から、絵を描く。もっぱら日本画だ。人物であったり、山であったりその年代によってモチーフは変わるが、最近の彼のモチーフはもっぱら「木の実」である。林檎や柿、葡萄など。
週末晴れると、助手席に妻を乗せて彼はサンドイッチと紅茶を買ってりんご園や柿畑に行く。
彼が木々と向き合っている間、のんびり屋妻はシートを倒してお昼寝タイムだ。
大学で、森林学を専攻していた彼は、林檎の木がまるで人に見えるという。ちょっと不思議なことを言う。でも実に彼らしい。
彼は自分でとった林檎の写真やスケッチを人に見せるのが好きだ。
「ほら、この樹、まるで人のように見えるだろう?」
確かに大きくどっしりとた、樹は、人のようにも見える。
太く伸びた枝は人の腕を思わせる。
彼は林檎の樹を自分に重ね合わせているようである。
枝に乗せたたくさんの実は、家族や彼とりまく人物たちに見える。
二つ寄り添う実も多くある。まるで夫婦やカップルのようにも見える。
一昨年、県の開催する展覧会で奨励賞をとった彼の絵は、年老い始めた林檎の木であった。
その絵について解説する彼は、まるでじぶんのことを遠まわしに言っているようにも思えた。
(彼は若い頃、みずみずしい林檎の絵を描いたことがある。)
その展覧会で大賞をとれば、老後絵画教室の講師も夢ではない。
しかし、この大賞が非常にとるのが難しいのだ。
しかし、彼の夢はもっと壮大である。
イタリアのトスカーナで、絵を描くことだ。
春には赤く可憐に咲く赤いひなげしや、色とりどりの花たち。
夏には一斉にまぶしいほどの黄色いひまわりが咲く。
秋には風に揺れる一面の麦畑。
冬には銀色に輝く木々たち。
それらを思う存分に絵に描きたいのだ。
私は彼とその妻が、トスカーナへ行くことを願ってやまない。
※この小説(ノベル)"彼は林檎の絵を描く"の著作権はライカさんに属します。
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ライカさんへ
素敵な文章の構成の仕方ですネ
我々、コラムを描く者にも見習わなければ、ならない作品構成だと思います。
プロにもなれそうです。
この手の作品構成、私は好きです。
次回作にも期待いたします。
お昼休みにdagg
ライカさん、こんにちは。
daggさんも仰っていますが・・私も今拝読して、とても惹き付けられました。
詳しい事は判りませんが、構成がとても素敵だと思います。
今後の展開が楽しみです。
初めまして、ウィティです。御作読了いたしました。
ライトノベルに分類されるかどうかは分かりませんが、タイトルが私の好みでした。
未分類とのことで、確かにこの文章は小説ともエッセイともつかない文です。従ってストーリー性は弱いとは思うのですが、それでも読んでいて少し和みました。
トスカーナは、ビスコッティが有名ですが、りんごのタルトも有名だそうですね。
トスカーナを少し調べましたが、あの強い光の風景を描く日本画の筆はどのようになるのだろうかと、そんなふうに思いを馳せました。
次回作を、とても楽しみにしています。

林檎の木を誠実に画いていた
彼の姿が思い画かれますよ!!
林檎の木が人の形に見える彼なら
きっとトスカーナにもいけると思いますww
初めまして。
独創性がありながらも、外し過ぎない文章と構成に惹かれました。
教科書とかに載せて、中高生なんかに読み取らせると、
感受性も養えるような、
そんな事を思ったりもしました。
こんばんは。
こんな友人がいるなんて、素敵ですね。
ぼくも、就職するまでは “絵” よく描いていました。中学の頃は将来画家になるんだと思っていた時期もありました。だから、この “彼さん” のこと、他人じゃないみたいな?感じです。
みなさんご返事遅くなりすみません。
思った以上に、評価が高くてどうしていいかわからなかったです。
「彼」は実在する人物です。続編がまた書ければと思っています。
ライカ
※ここでは2012年5月21日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。