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@と交際するようになってからも、私は自傷行為をやめることはできない。
@は夜の凪いだ海よりさらに穏やかであり、牛のようにゆったりとしていたため、私の精神はほとんどの場合安定している。
しかしなんらかの理由により@と意思の摩擦が起こるとどうしようもなく創傷したくなるのだ。
@は私が返答に困難な質問を投げかけると、発言が一切なくなる。
そしてその翌日、電子郵便により返答がなされる。いかなる場合においても。
私ははじめは@のそのような態度を仕方なく思っていた。$と交際指していた際私がそうだったからだ。
しかし、昨今@の沈黙に耐えることが困難になってきている。一切の表情、感情を推測できないからである。私は@が沈黙するたびに、@が果たして反復される私の質問に辟易しているのか、精神的労力の行使を嫌がっているのか、負の推測ばかりがなされ精神が不安定になる。
私は@と交際し1年と半年ほど経ったころ、一切遮断していた出会い系チャットに再び入った。
そしてそこでセックスを介さないコミニュケーションを持つ&と知り合った。
@の沈黙を恐れている私は、いつのまにか@の相談以外の個人的相談まで&に持ちかけていた。&はその点において優れており、私は&にごくわずかな恋情を覚えてしまった。
ある日の深夜、私は&に相談した。
「私は精神的不安定に陥ると自傷行為を行うようになる。@はそれを危惧して何も言い出せないのではないか。だとしたら、やはりすべてにおいて原因は私一人にある。私は今まで精神的不安定に陥ると@に創傷写真を見せていたし錯乱した文章も幾度か送信してしまった。私の存在自体が@を追い詰めているのではないか」
しばらくの時間がたち、&から返信があった。
「誰が悪いとかじゃないし責任を追う必要もない。必要なのは自分を責めることではなく許すことである。辛い経験をし、誰より苦しんできたのは貴方だ。悲しいこと、辛いこと、楽しいこと、さまざまな経験があってこそ今の貴方だ。それらすべてを認めることで自分を好きになるということだ。誰もがそうだが自分と向きあうことからはじめなさい。長所も短所も理解した上で自信を持ちなさい。」
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正直、作者様にとっては上ので十分なのではないかと、今でも思ってます。
が、やっぱりあまりにえらそう(笑)なので、遅くなった上に蛇足ではありますが、ちゃんとした感想も書いておきます。
こういった話は、得てしてひどく感傷的だったり、偽悪的だったり、虚勢や根拠のない自信に満ち溢れていたりしがちなものですが、この作品にはそういった類の感情の押し付けが一切感じられませんでした。
熱を帯びたまま冷めた視線で、ただ淡々と回想が語られるのみです。
だからこそ読者視点と作者視点が効果的に重なり、臭いすら感じさせるほどの追体験を得ることができます。
それなのに作品世界に捕らえようとする力はなく、最後にはもう話は終わったとでも言わんばかりに一方的に追い出されてしまいます。
そこで自分の世界に戻ってきてはっと画面を見返した時、感じることは人それぞれ。
自分の今の境遇、過去と照らし合わせて、同じだと思った人は自分は一人じゃないと勇気付けられることでしょう。
幸せな話だと思った人は自分の半生を嘆くかもしれないし、不幸だと思った人は今日と明日を生きる活力を得るかもしれない。
そんな読み手の心を写す鏡――今必要としている全てがあり、実質何もない話なのだと思います。
そして私の場合、はじめ読み終えた時、この話をとても綺麗だと感じました。
人間がなのか、その生き方がなのか、完成したお話としてなのかわかりませんが、前述の理屈からすると。無意識的にでも今の自分がどこか汚れてしまったと感じているのかもしれません。
もしこれを狙って書いたのなら相当すごい力量だと思いますが、どうなのでしょう。
本当にそうだったら立ち直れなくなりそうなので偶然だと思い込んでおきますが(笑。
この辺が汚れてるといえるのかもしれませんけど(笑。
あと、誰にでもおすすめできますが、やっぱり悩み多き若人にこそ読んでみてほしいとは思いました。
しかし、惜しむらくは年齢制限があること(笑。
非常に良いものを読ませていただきました。
ありがとうございました。
このコメントを東京から帰る新幹線で読んでいて、思わず泣いてしまいました笑
とても温かな批評をありがとうございます。
年齢制限は、まあネットの18禁なんてあってないようなもんですしね!笑
何を狙って書いたかは秘密です笑
いやはや、評価だけではなくこれほどに長文の批評をいただけたことたいへんうれしく思います。正直もっと批判的な批評がくることを予想していたので、想定外の喜びでした。
わざわざ批評書いてくださり、本当にありがとうございました。
※ここでは2018年5月17日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。※同順位者が多すぎる場合はすべてを表示しきれない場合があります。