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イシューズ。 (完結作品)

作:Me,■i■o / カテゴリ:ノンフィクション / 投稿日:'10年4月18日 23:56
ページ数:15ページ / 表示回数:2回 / 総合評価:1 / コメント:3件

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雨の公園(4/21 タイトル改定、加筆修正あり)


 ベーシストと本格的な浮気関係に陥り$と別れることを決めたその日、$に誘われ加入したバンドのキーボードから私の電子居住区に連絡があった。「もうこのままはいや」という書面を受け、私はキーボードに交信を持ちかけた。

 キーボードから聴かされた話に、私は驚愕した。$は私と付き合いながらキーボードと体だけの関係を続けていたというのだ。$は私と別れてからキーボードと交際していたが、キーボードに別れ話を持ちかけられ別れた、しかし、セックスだけは継続していたというのだ。
 
 私はその時あまりの驚愕に精神乖離を起こしそうになったが、これはいい機会だと考え直した。$の浮気を理由にすれば、なんの苦労もなく$と別れられると考えたためだ。
 私はもう自身が$と別れる気でいることをキーボードに伝えた。キーボードの意向を訊ねると、キーボードも同じく別れをのぞんでいるようだったが、彼女はその話を$に切り出すことを躊躇していた。理由をきき私はさらに驚愕した。

 $は私にした暴力行為よりも数段上の行為をキーボードに行っていた。
 ある時$はキーボードの腕をつかみ、カッターの刃を押し当て自傷を促した。またある時は立ち上がることができなくなるほどに殴られた。
極めつけは、$に殴られ剥離骨折を起こしたという出来事だった。キーボードは骨折の理由を家族にあわてていてドアにぶつかって転倒したためと話していたというのだ。


 キーボードの不遇な話を聞くうち、自分の中に芽生えた感情に既視感を覚えた。
私は今キーボードの話をきいていたように、昔%の話をきき、同じようにその感情を芽生えさせていた。

 庇護欲。それに伴う特別な好意。
それは恋愛感情によく似ている。%やキーボードが何故私に庇護欲を発情させるのかは既に知っていた。不遇であるというただそれだけの理由だ。

 私はキーボードの$との別れ話に付き合うことになった。雨の公園の東屋でその話し合いは行われた。
私は$に対する執着を一切持っていなかったが、$に対する恐怖は存在していた。キーボードが同じく畏怖しないよう、$の一見正当に思われる発言、暴力的な態度に高圧的に話し合いに臨んだ。

 長い時間が経ち、キーボードは$との関係に決着をつけた。
 私は今回の件に関する自らの働きに陶酔した。


 何日か過ぎた晩、再びキーボードから連絡があった。
「$と再び交流を持ってしまった、私はどうすべきなのだろうか」という旨の電子郵便が届いた。
 私は返答として「学習能力が欠如している、憤慨だ」という内容の電子郵便を送信した。

 それ以来、彼女からの交信は途絶えた。

 

※この小説(ノベル)"イシューズ。"の著作権はMe,■i■oさんに属します。

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この小説(ノベル)へのコメント (3件)

'10年4月22日 17:52

この小説(ノベル)を評価しました:好感触

評価します。

なんか上から目線でスンマセンw

'10年4月27日 19:40

 正直、作者様にとっては上ので十分なのではないかと、今でも思ってます。

 が、やっぱりあまりにえらそう(笑)なので、遅くなった上に蛇足ではありますが、ちゃんとした感想も書いておきます。

 こういった話は、得てしてひどく感傷的だったり、偽悪的だったり、虚勢や根拠のない自信に満ち溢れていたりしがちなものですが、この作品にはそういった類の感情の押し付けが一切感じられませんでした。

 熱を帯びたまま冷めた視線で、ただ淡々と回想が語られるのみです。

 だからこそ読者視点と作者視点が効果的に重なり、臭いすら感じさせるほどの追体験を得ることができます。

 それなのに作品世界に捕らえようとする力はなく、最後にはもう話は終わったとでも言わんばかりに一方的に追い出されてしまいます。

 そこで自分の世界に戻ってきてはっと画面を見返した時、感じることは人それぞれ。

 自分の今の境遇、過去と照らし合わせて、同じだと思った人は自分は一人じゃないと勇気付けられることでしょう。

 幸せな話だと思った人は自分の半生を嘆くかもしれないし、不幸だと思った人は今日と明日を生きる活力を得るかもしれない。

 そんな読み手の心を写す鏡――今必要としている全てがあり、実質何もない話なのだと思います。

 そして私の場合、はじめ読み終えた時、この話をとても綺麗だと感じました。

 人間がなのか、その生き方がなのか、完成したお話としてなのかわかりませんが、前述の理屈からすると。無意識的にでも今の自分がどこか汚れてしまったと感じているのかもしれません。

 もしこれを狙って書いたのなら相当すごい力量だと思いますが、どうなのでしょう。

 本当にそうだったら立ち直れなくなりそうなので偶然だと思い込んでおきますが(笑。

 この辺が汚れてるといえるのかもしれませんけど(笑。

 あと、誰にでもおすすめできますが、やっぱり悩み多き若人にこそ読んでみてほしいとは思いました。

 しかし、惜しむらくは年齢制限があること(笑。

 非常に良いものを読ませていただきました。

 ありがとうございました。

Me,■i■o

'10年4月28日 00:48

 このコメントを東京から帰る新幹線で読んでいて、思わず泣いてしまいました笑
とても温かな批評をありがとうございます。

 年齢制限は、まあネットの18禁なんてあってないようなもんですしね!笑
 何を狙って書いたかは秘密です笑

 いやはや、評価だけではなくこれほどに長文の批評をいただけたことたいへんうれしく思います。正直もっと批判的な批評がくることを予想していたので、想定外の喜びでした。

 わざわざ批評書いてくださり、本当にありがとうございました。

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