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俺は急いで電車に乗った。そこで俺はもう一つのおかしな点に気づいた。
何故カラオケ店で、そして508号室なのか。それに何故今その部屋が使われていないということがわかるのか。…ありえない。
これは間違いなく騙されている。いや、それだけじゃない。「あの方」の声もおかしかった。
男の声にしては高い。だからといって女の声にしては女らしさにかけていた。
一体「あの方」は何者なんだ…。
勢いで電車に乗って吉祥寺へ行った俺は『カラたん』の受付で恐る恐る聞いてみた。
「あの…508号室って…誰か使ってますか?」
「え~はい。使っておられます。」
「やっぱり。」
「ですが、お一人様で入店しておられ、後からもう一人来られると聞いておられます。」
「え?」
一人?もしかして「あの方」なのか?だが俺が注文をした5人の女性はどうなっているのか?俺は5階に上がり、508号室を見つけ、中をこっそり覗いてみた。
が、誰もいるようには見えなかった。あたりは真っ暗で、画面の電源まで消えている。
間に合わなかった?いや、1時間40分でここまできた。2時間は経っていないはず。
じゃあこの部屋のどこかに…いる。
「こん…にちはぁ…」
返事もない。あ、トイレにでも行っているのか…
「どこみてんだよ。」
聞こえてきた声は、間違いなく下…俺は声のする下のほうを見た。
そこに立っていたのは8歳くらいの小さな男の子。
「あれ?君は?」
「お前が電話してきたんだろ!」
「え?」
この子が…「あの方」?子供?てかどうしてこんな小さな子が一人でカラオケBOXに入れたんだ?
「とりあえず座りなよ。」
「あ…はい。」
俺にはどう考えても生意気なガキにしか思えない。本当にこの子が「あの方」なのか?
「お前、初めてだろ?」
「え?あ…そうです。」
「初めての奴には俺達子供が連絡をとるようになっているんだよ。初めから『お父さん』は出てこない。」
「お父さん!?」
「そうさ。この『Love plan』はお父さんの会社なんだ。」
「Love plan?」
「なんだ。それも知らないのか?」
『Love plan』…この出会い系の会社の名前か?それにしてはダサい名前過ぎる。
「とにかく!俺はヨシキと遊ぶ約束があるから早めに説明するぞ!」
「あ、お願いします。」
この会社はほとんどの都道府県で活動をされているとてもでかい会社らしい。
そしてもっとすごい事に、そこでこの子のように働く「子供」はどの都道府県にも存在しているということ。この子たちの仕事内容は「ミート」までの契約を行うことであった。
「それで、お前はミートしたい女が5人だな?まぁこの手の女なら一人5千円ってとこだろう。てことで、ここにサインしてもらって3万5千円くれ!」
「え?一人五千円?高くないか?出会うだけなんだろ?」
「…」
冗談じゃない!俺は別に出会いに来たわけじゃない。ただ本当にこの会社のおかげで文夫の彼女がいっぱいいる理由か確かめたかっただけだ。ましてやフリーターの俺が3万5千円もの大金持っているはずがない。
「お前…何のために来た?」
「え?それは…何のためっていうか…」
「お前…女欲してないだろ?」
「…いや、欲してないわけじゃ…ない。」
なんだかわからないけどこの子の目の勢いは半端じゃなかった。
子供だからってなめんじゃねぇよって聞こえてくるような目で…
「…もういいや、お前帰れよ。」
「え?ちょっと待ってよ僕…」
このとき人が変わったように小さな子供は俺に向かって怒鳴った。
「僕じゃない!今お前俺のことを僕扱いしたな?」
ここがカラオケBOXじゃなかったら完全に俺は恥ずかしい目にあっていた。
「何が僕だ!!俺はちゃんと『お父さん』の会社で働いてる1社員だ!お前は何だ?それに電話をしてきたただのフリーターだろ?ただその場の雰囲気とかに惑わされて電話をかけてきた1フリーターだろ?だからお金がなくて困ってるってとこだろ!?馬鹿じゃねぇの?本当に出会いてぇって思ってんなら金とかそういう問題じゃねぇだろ?愛っていうもんは出会う前から始まってるもんなんだよ!!!」
俺はこの年になって8歳くらいの男の子に説教をされるとは思わなかった。
いや、まさか小学生に愛を語られるとは思わなかった。
「…金はない。ぼ…あなたが言ってる通りです。」
俺はもうやけになっていた。
※この小説(ノベル)"『Love Planner』"の著作権は翼馬さんに属します。
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