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イシューズ。 (完結作品)

作:Me,■i■o / カテゴリ:ノンフィクション / 投稿日:'10年4月18日 23:56
ページ数:15ページ / 表示回数:2回 / 総合評価:1 / コメント:3件

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無印のプラスチックバッグ




 私は憧れていた生徒会に誰よりも早く入会していた。私にはひそかな野望があった。卒業式で祝辞を読むとき、何代も受け継がれたマニュアル通りの台本をびりびりに破り、自分で考え暗記した祝辞を発音することだ。
 
 生徒会長になることはほぼ確実だった。他の立候補者がいないことも大きかったが、誰よりも大きな声で誰よりも明朗快活と選挙活動をしていたからだ。友人や先生からは「生徒会長になったら昼寝はできませんよ」と茶化されていた。


 私は私の野望実現を楽しみにしつつ、やはり$とのセックスを楽しんでいた。
ある時$と繁華街にて待ち合わせ、いつものようにカラオケBOXに入り、裸になり体を$に舐めてもらっていた。

 すると、#のことを思いさせるがごとく店員が部屋の戸をあけた。
 学生証を提示したうえで利用していた私と$は、当然のことながら互いの学校に通報された。


 その出来事が起こってから二日間、私はなんの不自由もなく高校生活を送っていた。
 三日目の体育前の休み時間、私は先生からの呼び出しをうけた。とても軽い調子だったので、愛撫の件で呼び出されたのではないと思っていた。

 高校生になってから行ったことのなかったカウンセラー室に入ると、生徒指導係の先生と生徒会顧問が待機していた。
「繁華街のカラオケ店よりこちらの学校へ連絡がきました。理由はわかっていますね?」


 生徒会総選挙の、1時限前だった。



 私が一週間の停学処分をうけ、携帯電話を*に管理されるようになったころ、$は学校を自らの意思で辞めた。
 野望がついえたショックがあまりにも大きかったのか、これを機に覚醒したのかはわからないが私は$に対しての執着が出がらしのお茶のように薄れた。

 $はまだ私に執着していた。
$の汚い文字で書かれた手紙が切手も貼られず郵便受けに入っていたり、*と#の不在を見計らい家におしかけてきたり、挙句の果ていつからそこにいたのか私の通う塾の帰り道で話しかけてきた。

 その時私はもう$を執着と畏怖の目ではみていなかった。ただ気持ち悪く今までの暴力的言動に対する怒りしかなかった。

 $のいつまでも続くとりなしやなだめすかしの発音に私はかつての$のようにいらだちを加速させていた。

 そしてその加速度が許容範囲を超えた時、ディルアングレイやコーンやマリリンマンソンの影響を直射したような、シールがごたごたと貼られているプラスチックバッグを道にたたきつけた。
ついでに$からもらった缶コーヒーも道にたたきつけた。



「ふざけんじゃねえよ」と私は叫んでいた。
誰かに対し怒り以外の一切の感情なく接したことは、おそらくこれが初めてだった。





※この小説(ノベル)"イシューズ。"の著作権はMe,■i■oさんに属します。

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この小説(ノベル)へのコメント (3件)

'10年4月22日 17:52

この小説(ノベル)を評価しました:好感触

評価します。

なんか上から目線でスンマセンw

'10年4月27日 19:40

 正直、作者様にとっては上ので十分なのではないかと、今でも思ってます。

 が、やっぱりあまりにえらそう(笑)なので、遅くなった上に蛇足ではありますが、ちゃんとした感想も書いておきます。

 こういった話は、得てしてひどく感傷的だったり、偽悪的だったり、虚勢や根拠のない自信に満ち溢れていたりしがちなものですが、この作品にはそういった類の感情の押し付けが一切感じられませんでした。

 熱を帯びたまま冷めた視線で、ただ淡々と回想が語られるのみです。

 だからこそ読者視点と作者視点が効果的に重なり、臭いすら感じさせるほどの追体験を得ることができます。

 それなのに作品世界に捕らえようとする力はなく、最後にはもう話は終わったとでも言わんばかりに一方的に追い出されてしまいます。

 そこで自分の世界に戻ってきてはっと画面を見返した時、感じることは人それぞれ。

 自分の今の境遇、過去と照らし合わせて、同じだと思った人は自分は一人じゃないと勇気付けられることでしょう。

 幸せな話だと思った人は自分の半生を嘆くかもしれないし、不幸だと思った人は今日と明日を生きる活力を得るかもしれない。

 そんな読み手の心を写す鏡――今必要としている全てがあり、実質何もない話なのだと思います。

 そして私の場合、はじめ読み終えた時、この話をとても綺麗だと感じました。

 人間がなのか、その生き方がなのか、完成したお話としてなのかわかりませんが、前述の理屈からすると。無意識的にでも今の自分がどこか汚れてしまったと感じているのかもしれません。

 もしこれを狙って書いたのなら相当すごい力量だと思いますが、どうなのでしょう。

 本当にそうだったら立ち直れなくなりそうなので偶然だと思い込んでおきますが(笑。

 この辺が汚れてるといえるのかもしれませんけど(笑。

 あと、誰にでもおすすめできますが、やっぱり悩み多き若人にこそ読んでみてほしいとは思いました。

 しかし、惜しむらくは年齢制限があること(笑。

 非常に良いものを読ませていただきました。

 ありがとうございました。

Me,■i■o

'10年4月28日 00:48

 このコメントを東京から帰る新幹線で読んでいて、思わず泣いてしまいました笑
とても温かな批評をありがとうございます。

 年齢制限は、まあネットの18禁なんてあってないようなもんですしね!笑
 何を狙って書いたかは秘密です笑

 いやはや、評価だけではなくこれほどに長文の批評をいただけたことたいへんうれしく思います。正直もっと批判的な批評がくることを予想していたので、想定外の喜びでした。

 わざわざ批評書いてくださり、本当にありがとうございました。

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