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イシューズ。 (完結作品)

作:Me,■i■o / カテゴリ:ノンフィクション / 投稿日:'10年4月18日 23:56
ページ数:15ページ / 表示回数:1727回 / 総合評価:1 / コメント:3件

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鼻水ブレザー



 私は中絶をした%の健康的なそぶりをみて非常なショックを受けた。
そして他人の目を見ることがどうにも恐ろしくなった。
見られているということに対してのわけのわからない圧倒的な恐怖が私の精神を苛んだ。
 水子の霊が乗り移ったのかと思うほどに死ぬことも怖くなり、家の外にでることが困難になった。


 精神的に幼かった私はただ%を恨んだ。
%の苦悩や、痛みの一切を理解しようとはしなかった。
なぜ%がまだ交際を続けているのか、なぜセックスを繰り返すのか、なぜあのようなそぶりで学校に通っているのか、なにがなんだかなにもわからなかった。


 …。
 私はブレザーを着るようになった中ごろから携帯電話の所有を許されていた。
性的好奇心が強かった私は、またたくまに無料出会い系チャットを発見し、ほぼ毎晩年の離れすぎた男性と会話し、*や※※が留守の時を見計らい*と同じように電話を介してのセックスをしていた。
年齢のせいもあってか、私が部屋を作ると一瞬で男性が入室した。
時折冷やかしや年齢を疑う者がいたが、たいていの場合男性は大いに喜んだ。


 *と同じことをしている、という罪悪感はたしかにあった。
あったが、私は私の中でうごめくどろどろとしたナニカに勝つことはできなかった。



 さびしかったのかもしれない。

 私が何をいったところで、*は私のほうを一瞥するだけでなんの反応もしない。反応したとしても、私があまりにもしつこく注目されようとしたせいで「今メールの文章を考えているのです、黙りなさい」という一言だけだった。

 ※※はよく私に八つ当たりをした。
なぜ自分が家事をしているのか、なぜ※が#のもとへ自分をおいていったのか、すべてが※※を苦しませていた。
 家の中ではほぼ毎週怒号が飛び交っていた。
*と※※が喧嘩しているのだ。壁に穴があき、ガラスが割れ、私は眠ることはできなかった。一度だけ「うるさい」といったらやはり「黙りなさい」と言われた。



 私は無意識に、私を必要としてくれる人を探していた。私だけをみて、かわいがり、安心させてくれる人間を探していた。
チャットで知り合った男性は、皆やさしかった。セックスも楽しかったが、セックスのあとのたわいもない会話が好きだった。麻雀で生計を立てている人、トラックの運転手、学生時代の話、それらをきき、相槌をうち、自分のことを話し、そうした一連のやり取りが、私にとって一番の幸せだった。

 しかしやはり、彼らとの交流はセックスという行為の上に成り立つもので、そして私もセックスが好きだった。大好きだった。しかし、*のことは大嫌いだった。そして、%は中絶をした。それでも、%はセックスをやめなかった。

 私はやはり何がなんだかわからなくなった。
 *にどんなに叩き起こされようと、#がたまに家に帰り私を起こそうとしようと、私はかたくなに布団にへばりつき、すがりついた。
 *が起こすのを断念すると、私はこっそりとデスクトップパソコンから電脳世界へ旅立った。セックスを必要としないコミュニケーションがそこにはあったのだ。
しかし、然り、それをみつけると*は私を怒鳴りつけた。
キーボードを床にたたきつけられ、モニターも床に落ちた。
私が数々の罵声を受け涙と鼻水とよだれを垂らすと、決まって*はこういうのだ。

「狂ったフリをしているんじゃない」



※この小説(ノベル)"イシューズ。"の著作権はMe,■i■oさんに属します。

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この小説(ノベル)へのコメント (3件)

'10年4月22日 17:52

この小説(ノベル)を評価しました:好感触

評価します。

なんか上から目線でスンマセンw

'10年4月27日 19:40

 正直、作者様にとっては上ので十分なのではないかと、今でも思ってます。

 が、やっぱりあまりにえらそう(笑)なので、遅くなった上に蛇足ではありますが、ちゃんとした感想も書いておきます。

 こういった話は、得てしてひどく感傷的だったり、偽悪的だったり、虚勢や根拠のない自信に満ち溢れていたりしがちなものですが、この作品にはそういった類の感情の押し付けが一切感じられませんでした。

 熱を帯びたまま冷めた視線で、ただ淡々と回想が語られるのみです。

 だからこそ読者視点と作者視点が効果的に重なり、臭いすら感じさせるほどの追体験を得ることができます。

 それなのに作品世界に捕らえようとする力はなく、最後にはもう話は終わったとでも言わんばかりに一方的に追い出されてしまいます。

 そこで自分の世界に戻ってきてはっと画面を見返した時、感じることは人それぞれ。

 自分の今の境遇、過去と照らし合わせて、同じだと思った人は自分は一人じゃないと勇気付けられることでしょう。

 幸せな話だと思った人は自分の半生を嘆くかもしれないし、不幸だと思った人は今日と明日を生きる活力を得るかもしれない。

 そんな読み手の心を写す鏡――今必要としている全てがあり、実質何もない話なのだと思います。

 そして私の場合、はじめ読み終えた時、この話をとても綺麗だと感じました。

 人間がなのか、その生き方がなのか、完成したお話としてなのかわかりませんが、前述の理屈からすると。無意識的にでも今の自分がどこか汚れてしまったと感じているのかもしれません。

 もしこれを狙って書いたのなら相当すごい力量だと思いますが、どうなのでしょう。

 本当にそうだったら立ち直れなくなりそうなので偶然だと思い込んでおきますが(笑。

 この辺が汚れてるといえるのかもしれませんけど(笑。

 あと、誰にでもおすすめできますが、やっぱり悩み多き若人にこそ読んでみてほしいとは思いました。

 しかし、惜しむらくは年齢制限があること(笑。

 非常に良いものを読ませていただきました。

 ありがとうございました。

Me,■i■o

'10年4月28日 00:48

 このコメントを東京から帰る新幹線で読んでいて、思わず泣いてしまいました笑
とても温かな批評をありがとうございます。

 年齢制限は、まあネットの18禁なんてあってないようなもんですしね!笑
 何を狙って書いたかは秘密です笑

 いやはや、評価だけではなくこれほどに長文の批評をいただけたことたいへんうれしく思います。正直もっと批判的な批評がくることを予想していたので、想定外の喜びでした。

 わざわざ批評書いてくださり、本当にありがとうございました。

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