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ボクが目を覚ますと、暗い箱の中にいた。
ボクは死んだ…の?
「よいしょ。」
ボクが箱から顔だけ出すと、クーモンスが気付いた。
「ハル、もう身体は大丈夫なのかい?」
「うん。まだ、ちょっと痛むけどね…さっきよりは全然大丈夫。」
そう言うと、ふうと一息付いて
「ならよかったぜ。安心したよ。あのときは、どうなるかと思ったけどさ。」
クーモンスが煙管に火を付け、ふーっと上を見ながら
ゆっくりと息を吐く表情はどことなく寂しそうだった。
「あの後、大変だったんだぜ?ベイビー全然、泣きやまねぇし。お母さんも
一生懸命、あやしてて。俺を握ったまま泣きながら、思い切り振り回したり
叩きつけるもんだから、身体が痛くてよ。」
はっはっは。と笑いながら、やんわり答えてくれた。
ボクも、クーモンスの笑顔を見たら少し安心できた。
それから、ボクはいろいろなことをクーモンスに聞いた。
クーモンスは、以前も玩具として頑張ってたみたいだけど
新たに、リサイクルとして怪獣になったんだって。
本人は…
「イメチェンよお?イメチェン。」
と話して、昔の写真を差し出した。
「昔はバービー人形だったんだよな。」
「っ!!?おじさん、女の人だったの?!」
「あれ?言ってなかったっけ…?」
世間はボクの驚くことがたくさんあります。
なんでも、クーモンスは1度別れた彼と逢うために
いろいろ回りたいんだって話してた。
なんだかんだ喋り尽くして、時刻はもう23時を回っていた。
「ボク…おじさんが女の人だったなんて全然知らなかった。」
「気にしなくていいって。じゃあ、せめて『おばちゃん』にしてくれるかな」
ボクらは顔を見合わせて笑った。
こんな何気ない時間が楽しくて、幸せで。
人も、こういう時間が大好きなんだってボクは知ってる。
ふと…今日の出来事を思い出していた。
葵を傷つけたこと…
楽しく遊んでもらうのが仕事なのに、それを出来ずに
ボクは車に撥ねられ、葵を傷つけた。
おもちゃにとっては致命傷。
「ボク…今日、葵を傷つけちゃった。」
暗くなりたいわけじゃないのに、自然に視線が下に行く。
「葵?ベイビーの名前かい?」
「うん。」
「ボクら、玩具は楽しいひと時を一緒に過ごさなきゃなのに…
ボクにはそれができてなくて…」
クーモンスが煙管をコンコンと床に叩き、ボクを気付かせるように音を立てた。
「そうかい?楽しいひと時を届けるのだって、いわば『共存』さ。俺たちが
想えばこそ、贈れる気持ちであって楽しく感じてもらえる瞬間なのさ。
これは主にも言えることでね、主自体その気持ちが無かったら
返せる想いも返しにくいってもんだよ。そういう意味では存分に愛されてるよ。
ハル…特にアンタはね。俺よかな。」
どういう意味か分からなかった…
ボクが不思議そうな顔をするとクーモンスが煙管を咥えたまま、
無言で自分の左腕をバシバシと叩いてみせて
ガラスの方向を指差した。
時間も遅く、電気も付いていないのでボクがひょいと顔を出して
ガラスを覗き込むと、自分の身体が映り出た。
すーっと自分の左肩に目をやると
荒々しく、汚い感じでセロハンテープがぎっしり貼られていた。
左手もちゃんと動くし、痛みもない。
「そいつは、ハルがまだ目を覚ます前にベイビーがお母さんと一緒に
一生懸命、治そうととしてね。結構、夜遅くまで頑張ってたみたいだぜ。
ベイビー。」
それを聞いた瞬間、心でドキンという音がした。
ふつふつと何かが込み上げてきて…
自然に溢れて初めて落とすボクの泪。
「それを見ても、まだ…傷つけてしまった、愛されてないと思うかい?」
ニシシシと笑顔になって、優しくボクを見つめるクーモンス。
もうボクには耐えられなかった。嬉しい気持ちが、
一気に駆け上がってやってくる。
「ほらほら、おいで。」
クーモンスは温かくボクを抱きしめてくれた。
人の胸で大泣きしたのも生まれて初めてのことだった。
ボクが泣いてる間は、ずっと頭を撫でてくれてた。
少ししてから
「そういや、これもあるんだよ。」
と言って、クーモンスが踏んでいたちょっと大きな紙を
すすすっと引きずり出してボクに見せた。
そこには、ボクとクーモンスの絵が大きく描かれており、
お母さんと書いたのか下手な字で『はやくげんきになってね』と
記されていた。左手ではなく、心が痛んだ。
ボクはこんなにも想われて…
こんなにも愛されてたんだ。
「なっ。俺ら、愛されてんだよ。飽きられるまで、まだまだ仕事できそうだな♪」
バシッと肩を叩かれて、ボクは笑って見つめた。
「あのう…あの…」
泣いていたため、言葉が上手く出てこなかったが…
『ボクも頑張りたい。』って言いたかった。
「言わなくても、分かってるから大丈夫さ。」
不意に見せたクーモンスの横顔がかっこよく、強かった。
今日1日でいろんなことを知った気がする。
何も知らない状態で、このお家にやってきて
何気なく過ごして、遊んでもらって
いまボクはここにいるけど…
このお家に来て本当に良かった。
明日は何が起きるか楽しみだ♪
クーモンスにもいろいろお世話になった。
お礼を言いたい。
「あの、おじ…じゃなかった。おばちゃん、ありがとう。」
泣き顔だったが、万遍の笑みで応えた。
クーモンスは、ごろーに食べられていた。
「い…犬がいるなんて聞いてねぇーぞ…。おーい…。」
明日も楽しくなりそうだ。
※この小説(ノベル)"Double Child"の著作権は槻*さんに属します。
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おもちゃの気持ちになるって、難しいはず..
それを槻さんはいとも簡単に..
その発想力がうらやましいです。
この後の展開が楽しみです。
2話以降もがんばってください!
追伸 台湾留学お疲れです
そしてお帰りなさい!!
タカ@さん>
コメントありがとうございます。昨日、台湾から帰ってきて久しぶりに、
ここを覗いたんで、掲示板(サークル)の発言が
だいぶ出来てない様子だったので…ごめんなさい。
せっかく、ご相談に乗れていたのに中途半端な形で居なくなったりして…
あと、このライトノベルは留学する前から書こうとしてたんですが
時間的都合が足りなくて出来ませんでした。2話からはきちんと書いていきますw
褒めてもらえて嬉しいです。詩でもそうなんですが、何かに置き換えて
気持ちを表現したり、周りの情景を使うのが好き…というか得意というか…
よく分からないですがwそういうのが俺はあるんで、玩具の気持ちを考えるのは
そんなにも難しいことじゃないですよ♪あ、ただいまですw
四話まで読みました。
おもちゃは大切にしないといけませんね..
仲間が出てきたことに、正直びっくりしてます。
このまま一人でロボット(せっかくなんでハルと呼びます)が
葵とのなかを深めていくと思ったので。
ハルがクーモンスとどんな会話をするのかが楽しみです。
展開の運び方に少々悩まされますw
ディズニーには「トイ・ストーリー」なるものがありますのでww
なるべく、かぶらせたくないし。自分独自の世界観も出したいので
最初思いついたときは同じような感じになって、難しいかなと思ったんですがw
なんとか、なってるようで良かったです。
これからも2人はばんばん登場させるつもりでいるので、次回も
楽しみにしてて下さい♪
新展開!
いや〜びっくりしました!!
「メル」の過去とか、結構シリアスですが、
これがおもちゃの話?
ってぐらいおもしろく、展開が読みにくいです←良い意味で
最後のほうに笑いをとれるってとこも
この作品の特徴ですので、
そのスタイルは続けてください!
このあとの2人(2体)はどうなるのだろう..
この展開自体は、three dayのときくらいから既に構想は出来てました♪
ですが…のほほんとしたやわらかい内容だけに“戦闘”シーンを
入れると世界観が壊れてしまうかな…という不安はありました。
でも、どうしても入れたくて入れちゃいましたw
あのハルたちの会話にものすごく力を入れて書いたんで
俺的には満足ですww
また見に来て下さいねw
今回、戦闘を入れてそんなに違和感無く進めたので
もう数回くらいは入れてみようかなと考えていますw
楽しみにしてて下さい♪
葵まで巻き込まれてる...
しかもまた戦闘シーンだ!!
おもちゃの世界はこんなに大変なのか...?
でも今回のシーンは、
笑いあり、戦いあり、
そんでもってまた笑いありと読んでて飽きなかったです
新たな仲間も増えて、ここからですね!!
ランドセルがなんか画期的ですごいなあと思いました。
ガンバレ、ハル!
ガンバレ、メル!
ガンバレ、葵!
そして、槻さんガンバって!!
これからも楽しませていただきま~す^^
※ここでは2012年5月18日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。