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絡み合う愛におぼれている張遼にはわからなかったが、戸の傍に矢文が刺さっている。内容は――
「今度の戦に備えよ。わしとそなたとほかの猛将は皆、異民族襲撃に向かう。」
張遼の息子・張虎が1歳になった時、彼は戦に行かねばならなくなった…。
「王琴…また招集だ。」
寂しい思いをしながらもこれが男の運命だとも山崎は思った。
「文遠さま…いきて戻ってくださいね…。」
山崎は思いを込めて作った下着を張遼に着せながら、呟くように言った。
「わかっている王琴。いきて戻ってこなかったら誰が張虎の武勇を鍛えるというのだ?私をおいてほかにいないのだ!」
死を覚悟しながら山崎を折れろというくらい強く抱いた。
「文遠さま、いってらっしゃいませ…。」
山崎は馬を差し出して、張遼はそれにまたがる。だが肝心の武器を持っていない。それを忘れては戦いようがない
「あ、待ってください。武器を…。うっ、重い!」
張遼愛用の鉤鎌刀(こうれんとう)。長さ2m、重さは山崎一人の体重とそんなに変わらない。
「いい、いい、これだけは私が持つよ。持ってくるのは弓矢くらいでいい!この武器は王琴には重いだろうから!」
張遼があわてて馬から降り武器を受け取った。ありがとう、彼は微笑んで山崎に軽く頬ずりをした。生えてきたばかりの顎髭が痛かった。
「本当に生きて戻ってきてね!文遠、私、ここでずっと待ってるから、息子とともに待ってるからね!」
張遼は内心、戦には行きたくはなかった。自分の息子がこんなに可愛いのにもう招集がかかろうとは思ってもみなかった。三国時代もそうゆったりはできないと思った。
※この小説(ノベル)"遼来来!!"の著作権は日本の張遼さんに属します。
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