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現代に帰ってきた後に父の死を知った山崎(王琴)は、泣き叫んで夜を明かしても泣きやめなかった。山崎は目を泣き腫らしたのだった。
「王琴どの、王琴どの!!起きてくだされ!あなたがそんな状態では私は安心して戦に行けませんぞ!」
彼女の中に宿る子は娘か息子か楽しみにしていた張遼。
――おなかの子がもしも娘だったら王琴のように賢くておしとやかでかわいい子だろうな。もしも息子だったら私に似て武勇があって義に篤く聡明なのだろうな。
「うぅ・・・」
――私の返事は聞こえるのに答えられぬとは・・・
「はっ、王琴!?何かあったのか!?おい!」
だが深い眠りに落ちた山崎の意識がもうろうとしてしまったために、あわてて医者を呼びに行った。妊婦がそんな状態では子供も危うくなってしまう。だが彼の時代にはそんな彼女を救える医者はいなかった。どの医者も自分の頼みを否定してしまった。女性の病が男にわかるはずもない、と。
張遼は耐えきれないで泣き叫んだ。何日も何日も彼女の寝る床で、彼女の手を握りながら泣いていた。自分の目が痛くなるほど泣いていた。
「起きてくだされ、王琴どの…起きて…起きてくだされ…ううっ…わがために起きてくだされよ、王琴どの!!」
近所のものはこの家で何かあったのかと心配で見に行こうとしたのだが衛兵が許さない。大の男が妻一人の為だけに何日も泣いているなんて知られたくなかったからだ。
張遼に仕える衛兵は皆優しい。彼らだけは張遼に面会できる。衛兵が山崎や張遼の為に、食料を調理して持ってくると、あんなに泣いていたはずの張遼が走って出てきて受け取った。
「張遼殿、王琴様も何日もお食事をなされておりません。王琴様にも何かを食べさせないと、おなかの子も危うくなります。さあ、これを食べさせてやってください。」
張遼の苦悩はいったん落ち着きを見せたのだが、今度危うくなったのは王琴だ。彼女は苦しそうに息をし、臨月が近いのかおなかの張りを気にしている。
「誰か…誰か産婆を連れてまいれ!!早く!!」
「あぁ、このお方ですね、あ、これはいけん!…逆子のようじゃな…だんな、早くこの桶に水を汲んできてくださいな!」
産婆があわてた口調で張遼に仕える衛兵に頼んだ。
「張遼様と私を除いてはこの部屋にだれも入れぬようにしてくれ。」
産婆が張遼に頼んだ。彼女は生まれてくる子が逆子の時だけ夫に付き添わせるのである。そのほうが落ち着いて作業ができるのだ。
※この小説(ノベル)"遼来来!!"の著作権は日本の張遼さんに属します。
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