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Social connect (完結作品)

作:あらいせ / カテゴリ:児童文学 / 投稿日:'17年5月21日 12:36
ページ数:1ページ / 表示回数:回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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《はじめ》こんにちは。
私はネクトといいます。
これは、ソシオです。ソシオはおもちゃで、背中の黒緑のペタッとしたのに光をあてると動きます。ソシオの頭を押してお話しすると、ソシオはそれを全部覚えててくれます。すごいでしょ。

ところでこれを見てるなら、きっとこれは昔の話だぞ、いやひょっとするとこれは未来の話かも、と思うかもしれません。でもこれは、今の話です。

いっぱいお話しします。まず、ノートに書いた日記を読みます。




『5月13日
今日は、お城の跡に行きました。知念城跡でした。
昔は王様がいたのですが、今は誰もいないそうです。お城の跡には、私以外に誰もいませんでした。
誰もいないお城なら、壊しちゃっても良いのになあ、と思います。その上から遊園地を作ってほしいです。

5月17日
今日もまた、お城の跡に行きました。今度は知念城跡じゃなくて、糸数城跡でした。
ここも人は全然いなくて、草がぼうぼうに生えてました。
寂しい気持ちになるので、やっぱり、壊しちゃえと思います。

5月30日
今日、はじめて野良猫を見ました。いるんだなあ、と思いました。
けどすぐにガガガに見つかって、追い払われていました。可愛かったのに、残念です。

4月11日
今日は焼き鳥を食べました。
はじめて食べました。美味しかったです。
ソシオに食べさせようとしたら、ソシオはおもちゃなので食べれませんでした。
ガガガがいたからあげようとしたら、ガガガはすぐに焼き鳥を捨てちゃいました。悲しかったです。

4月15日
今日、はじめて那覇に来ました。
大きくて広い道があったから、そこにいたガガガに聞いてみると、国際通りという道だって言いました。
昔は沢山人がいて、人とすれ違うのも大変だったそうです。
そんなに人が昔はいたんだ、と思いました。

4月16日
昨日話したガガガが、今日、壊れて倒れていました。
ガガガの顔には、バッテリー切れと書いてました。
でも私はあまった電池を持っていないので、しょうがないから私の電池をあげました。
良いことするのは大事だ、って昔の本に書いてあったからです。

4月20日
今日、はじめて昔の歌を聞きました。
日本語じゃないから、何を言ってるかわかりませんでした。
光るお皿みたいなのに、歌は入ってました。それが何百枚もあったので、きっと私がバッテリー切れになるまで、あんまりは聴けないな、と思います。

4月23日
今日、別のソシオを見ました。
一人で動いてました。気になって頭を押すと、大人の男の人が話してるのが流れました。ソシオはおもちゃなので、変なの、と、思いました。
でもそれを見て、おんなじようにしよう、と思いました。あと、それに本がついてました。けど、難しくて読めなかったです。でもその本をテープでソシオにくっつけよう、と思いました。』



これが日記です。
そして、最後のお話しにでてくる、その男の人のお話しを添付します。

〈えー、これを見ている人へ。
現在2064年7月19日13時45分7秒。
人類最期の日、と呼ばれてる日からもう30年になる。生きている人はいるだろうか?おそらくもういないのではないか。
ここ、沖縄島にいるのは終末に耐えたロボットだけだ。少なくとも、私は人と出会っていない。おそらくこれが再生されることはない。
けれどももし、この録音出来るおもちゃを拾った生存者がいたなら、まっすぐ北へ北へ向かって欲しい。私は信じてなどいないが、最北端には生存者の集落があるとのことだ。

ところで。
生きる、とはリレーだ。真っ暗闇の中、次の走者の場所すら知らされていない聖火リレーだ。それはこの時代でも、昔の時代でもだ。
行き先を照らす灯火の渡し合いだ。

私は今、足を大きく負傷している。骨が見え、傷口は激しく化膿し、もはや動きもしない。多分傷口からばい菌も入っているだろうし、何より動けない。おそらくここで死ぬだろう。私の人生に何の意味があったのだろうか?ただ野垂れ死ぬための存在か?そうではないと信じたい。

私が生きていこうと思えたのは、ある本の存在だ。終末後に拾った古い時代の詩集だ。製本の甘さを見ると自費出版に違いなく、おそらくもはや私以外誰も知らないだろう。公の記録に残っているのかも怪しい。

けれども、この本は、著者にとっては、聖火だったのだ。自分の生き方に火を灯したのだ。その火は一度消えかかっただろう、けれども最後には私の先を照らす灯になった。

これを聞いている君、君よ、今に火をつけろ。君の背中には、私の、詩人の、全ての過去の人間の生きる意志が乗っている。

希望から逃げるな。
忘れるな、北へ北へ。
グッドラック!〉


私はバッテリーをガガガにあげたなら、もうちょっとで止まります。
けど、これを見て、良かったです。私も頑張ろう、って思いました。だから、ソシオにいっぱいお話を聞かせました。
私は何もできないから、日記にしました。

私の名前は、ネクトです。アンドロイドのネクトです。これを流してるのはソシオというおもちゃです。
これは、今のお話しです。今っていうのは人がいなくなった後の今です。今っていうのは、年にすると大体二千《容量が足りません。録音を終了します》

※この小説(ノベル)"Social connect"の著作権はあらいせさんに属します。

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