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張遼はめでたく成人した。今までに何度も戦いや事件が起こった。主君が何度も変わり、武を奮い切れずにいる彼。
張遼は気がつけば女性を一人好きになるべき時期にあった。いつも傍らにいていつも自分を守ってくれる、助けてくれる女性がやけに気になった。
何がおかしかったのだろう…。発端は張遼が19歳の時の冬だった。いつも自分から「文遠、文遠」と呼びかけて張遼に話を振っていたのに、その時から彼が彼女を見ると、彼女はなぜか自分から目をそらす。そっと傍によって恥ずかしそうに小声で名前を呼ぶようになった。
「…張遼様…」
「ん?私に何かあるか、王琴。」
「あ…いえ…なんでもないです。大好きな張遼様の名前をよんでみたかっただけ…あ、やだ…」
真っ赤になって顔をそらす王琴。張遼には察しがついた。もしかすれば自分は彼女に好かれているのではないかと。
察しがついたが何も言わなかった。張遼は歩み寄って彼女の両方の肩に手を置く。
「えっ!」
一瞬王琴は驚いた。恥ずかしそうに目を伏せた。そしてかすかに振り返る。
「張遼様の手…あたたかい…のですね。」
恥ずかしがっていることが呼吸の速さでわかる。自分の手に乗った白い手が火照って速く脈打っている。
「おお、これは冷たい手だ。温めてやらねば」
向き直った張遼が彼女の手を握った。さらに彼女の顔が赤くなった。
「王琴…隠していて悪かった…実は私も…貴方を…」
そこまで口に出せたが、あとが口に出せずにいる張遼。急に彼女を抱き寄せた。
「張遼様…苦しい…。でもうれしい。」
泣きそうな細い声で王琴が言う。
「ああ、わかっている。私はあなたにとっての張遼様ではなくていい、あなたにとっての文遠でいたい。頼む、私を文遠と呼んでくれ。」
ぐっと手を握る。彼女の背に手の汗をぬぐった。戦いに明け暮れる彼の血生臭さの中の純粋な愛が、彼女にだけは伝わるのであった。
町が朝日に照らされたころ、二人の影が重なった。永遠に離れまいと誓った。厳正な雰囲気を醸し出し王琴は張遼と永遠にともにいることを誓った。
張遼にはわからない現世(未来)の力強さが彼女からひしひしと伝わってくる。きっと王琴自身の熱い本能が彼を欲するのであろう。
二人の愛が絡み合う中、町は不穏な空気に包まれた。そう、張遼が20歳の時、下邳の戦いが勃発したのだ。
「あ、これはいかん!」
張遼はパッと身を翻し、槍を携えて外に走って出て様子を見た。身を横たえて地面に耳を当てると、とんでもない音が。
曹操が攻めてきた!張遼は覚悟を決めて夜の支度をした。
※この小説(ノベル)"遼来来!!"の著作権は日本の張遼さんに属します。
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