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「なぁ、おまえさ、いったい何人に告白してるわけ?」
「え、えーっと、いち、にー、さん・・・・・・まあ、6人くらい?」
「6人って・・・告白しすぎ。なんで、そんなにするわけ?」
そのとき俺は高校3年生で、そいつは高校2年生。
学園祭の慌しさの中から逃げた屋上にそいつはいたんだ。
ちょうどおなじ吹奏楽部だったから、たまたま知り合い。
彼女はサックスで、俺はトランペット。同じ金管同士たまに喋ることもあった。
喋ることがあるっていっても、「譜面台貸してくださいよー」とか「ここの強弱どうしますかー?」とか「お前、、、とりあえず、楽器もってこいよ・・・」とかひどくどうでもいいことばかりだった。
だからというと語弊があるかも知れないけれど、本当にこんなことになるとは思っていなかった。
「んー、やっぱりー、花の高校生なんだから、彼氏とか欲しいじゃないですかー」
あっけらかんとした声で彼女はそんなことを二、三言った。
うんうん。と心の中で相槌をうってしまう。俺も高校生活3年目に突入して今だ彼女なし。女っ気もなし。女でしゃべるのは家のメス猫のシロだけ。悲しいかな悲しいかな。
ってそんなことと、これは関係ない。だから俺は弱気な心を強気な音で隠しつつ中腰で言ってみた。もちろん相手にはバレナイ。保障済みである。
「だからといって、そんな何度も告白しなくたっていいじゃん。」
「先輩は私の気持ちなんてわからないんですー」
少しむくれた彼女は振り向きながらそんなことを言う。
よかった弱気な部分は伝わらなかったようだ。そんなことを思いながらふと周りを見回してみる。
風が吹き抜ける屋上は少し肌寒く、Yシャツとブレザーだけの身にはけっこうこたえた。
それは彼女も同じだったようで、ぶるっと震えると両手をくんで白い息を吐いている。
「もう、中へ入ろうか?」
「もうちょっとだけいて下さい。」
なぜだかわからなかったけど、彼女は僕を引き止めた。
教室に帰ってもやることの無かったから言われるままに僕は腰をおろした。声が震えているのはお互い様かもしれない。
つづく
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