自作の歌詞・詩(ポエム)・小説(ノベル)等のクリエイティブ系コミュニティサイト

ようこそ ゲスト さん

投稿した小説(ノベル)にコメントがもらえるコミュニティ

小説(ノベル)

夏の停止線 (執筆中)

作:第1回みんなのライトノベルコンテスト作品 / カテゴリ:みんなのライトノベルコンテスト(フリー) / 投稿日:'08年1月11日 10:53
ページ数:107ページ / 表示回数:22112回 / 総合評価:1 / コメント:1件

[広告]

5 スケッチブック 4月17日(木)午後3時20分

 わたしは高校2年の新学期を迎えていた。
 母の死から3週間あまりが過ぎ、わたしの中の哀しみも薄れ始めていたところだった。
 1年のときからの友人、茜ちゃんと違うクラスになってしまったことは少し残念だった。
 けれど茜ちゃんは今日も、放課後すぐにわたしの教室まで遊びにきてくれた。
「どう、新しい担任の授業はもう慣れた? うちのクラスは数学、違う先生だからさ」
「あは。わたし、どっちにしても数学はダメだから」
 わたしは以前と同じように笑うことができるようになっている。
 わたしが悲嘆にくれていても母は喜ばないような気がした。だから、これでいいんだと思う。
「茜ちゃん、昨日も部活さぼったでしょ。深森先輩から言われちゃったんだからね、ちゃんと連れて来てほしいって」
 茜ちゃんは悪びれた様子もなく笑っていた。
「あはは、悪い、鈴菜。今日これからデートなんだよね」
「えーっ。裏切り者っ」
 茜ちゃんは少し前に、他校の男子生徒とつきあい始めた。そのせいでこのところ美術部には全然顔を出してくれないのだ。
 茜ちゃんは華やかな顔立ちをしているし、制服のささいなアレンジがうまくて、男の子にもてる。
 わたしも少し見習おうと思ったときもあったけれど、なにしろまずメガネがじゃまだった。
 コンタクトレンズは体質的に受け付けない。でももちろんメガネなしだと歩けないくらいの近眼だし。
 髪も剛毛なので、茜ちゃんのようなセミロングにしても毛先がきれいにカールしないし、絵を描くのに邪魔だから、結局無造作に縛ってしまっている。
 ようやく真似ができたものと言えば、カバンにつけるキーホルダーや携帯ストラップのセンスくらいだ。
「茜ちゃん、顔だけでも出していってよ。わたしの責任問題になっちゃうよ」
「大丈夫だよ、部長ってそんなに怖くないじゃん。行事のときには手伝うし、部費もきちんと払うけど、普段の活動は無理っぽい」
「そんな……」
「やだ、遅れちゃう。じゃあね、鈴菜。また明日」
 茜ちゃんは携帯で時刻を確かめながら、廊下をかろやかに走っていった。
 その後姿を見送りながら、無理もないかな、とため息をつく。
 絵にまったく興味がなかった茜ちゃんを、去年無理に美術部に誘ったのはわたしなのだ。
 わたしは仕方なく、一人で美術室に向かった。
 美術室で石膏を眺めながらデッサンしていると、会議で抜けていた部長……深森先輩が戻ってきた。
「やあ、みんな。ちょっと手を休めて聞いてくれ」
 わたしは椅子の向きを変えて、深森先輩を見上げた。
 深森先輩は、さわやかで優等生っぽい風貌をしている。いつも穏やかに微笑んでいるので、顔を合わせるとなんとなく人を安堵させる雰囲気を持っている。
 もちろん、とてもすてきな絵を描く人なので、わたしはこっそりファンだったりするのだ。
 静物画が得意で、落ち着いた色彩を使って、柔らかいタッチの花の絵を描いたりする。
「学園祭が6月なのは、例年通りだよ。美術部はこの美術室を使って展示会を行うのも、この間説明したとおりだから。そのつもりでみんな、準備をすすめてくれるかな」
 はい、わかりました、と部員たちが口々に返事をする。
 学園祭……か。
 この学園では6月に学園祭を行う。秋は体育祭があるから、その関係で時期をずらしてあるらしい。
 だからたいていの部は3年生でも学園祭までは活動に加わっている。
 3年の深森先輩がまだ美術部部長をやっているのも、そのせいだ。
 わたしは中学時代も美術部にいたのだけれど、その頃と比べて展示会までの準備期間が短くて大変だ。
 その分、この春の季節は個人製作優先になる。
 部員たち全員で美術室にこもってみんなで石膏デッサンするとか、同じ静物画を描く、といった活動はほとんどできないのだ。

※この小説(ノベル)"夏の停止線"の著作権は第1回みんなのライトノベルコンテスト作品さんに属します。

この小説(ノベル)の評価
評価項目評価数
素敵 1
合計 1
[広告]

この小説(ノベル)のURLとリンクタグ

この小説(ノベル)のURL:
この小説(ノベル)のリンクタグ:

この小説(ノベル)へのコメント (1件)

Fey

'16年1月4日 21:36

この小説(ノベル)を評価しました:素敵

章のタイトルを拝見すると、すごく好きな項目がいくつか、あります。
嬉しいです。

参考までに、ちょこっと知ってることを・・
気を悪くなさらないでくださいね。木々を描くのは好きなので(というか、直線の建物とか逆に描けないです、池とかまるいものや、木々などの自然を描いたり、ガラスや陶器のポットとかコーヒーカップとかお花とかを描いたりしてきました)

木々の描き方は、メインに描き込む枝をじっくりみて、それを目で追いながら、神にトレースすると描けますよ。ただ、木立の枝などは自分でも参りますが・・^^;そういうときは、美しいところだけピックアップして、つぎはぎにしてよいそうです(わからないように)。

以上、画家が本職の家族に教わったアドヴァイスでした。もしもよかったら、参考にしてみてください

ながながとごめんなさい。。とても、絵を描くところがリアルでよかったです。
ほかのところもゆっくり、読ませていただきたいと思います^^。
エントリ作品、今アップしても構わないのでしょうか?(受賞昨が決まるまえにオンラインにアップすると、エントリの資格がなくなることもありますね)。そういうときはいったん削除するか、非公開にするとよいですよ。今回のアップ、ありがとうございます。

コメントを書く

登録済みのユーザーは ログイン してください。
登録済みでない方は 新規登録 してください。

新規メンバー登録(無料)
第4回みんなのライトノベルコンテスト「しまのわライトノベルコンテスト」
広島で開催!コスプレをはじめとするジャパンカルチャーイベント「コスカレード」
  • 公式サークル みんなの歌詞
  • 公式サークル みんなの詩(ポエム)
  • 公式サークル みんなの小説(ノベル)
  • 公式サークル みんなのイラスト
  • 公式サークル みんなの写真(フォト)

ランキング

※ここでは2018年5月17日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。※同順位者が多すぎる場合はすべてを表示しきれない場合があります。

サポートサイト

J@P