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青い音符 (完結作品)

作:人間とマナブ / カテゴリ:SF / 投稿日:'08年1月15日 02:50
ページ数:26ページ / 表示回数:7639回 / 総合評価:0 / コメント:2件

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日常

 漫画等で見かけたことがあるんじゃなかろうか。けたたましく鳴る目覚まし時計を寝惚け眼で止めて、その時刻を見て「遅刻だ――っ」と叫ぶシーンを。
 アレはおかしい、と言う人がいる。何故なら、ベルが鳴ったと言う事は自分がその時刻に設定したと言う事だからだ。わざわざ遅刻する時刻にベルを鳴らす人間はいないだろう。そして僕もそう思っていた人間の1人だった。
 だが、その謎は今解き明かされた。
 彼らの時計にはスヌーズ機能……1度ベルを止めても何分かおきにまた鳴り出す機能が搭載されていたのだ。
 月曜の朝、目覚まし時計の頭を叩いて、僕は漫画よろしく叫んだ。
「遅刻だ――――――ッ!!」

 また、新鮮な朝を迎えられた事に、小さく喜びながら。


「おはよう。相変わらず騒々しいね。私が起こさないとすぐこれ」
 朝、2年5組の教室、ガヤガヤとにぎやかな空気の中で、金田千夜子は青い瞳を半分にして、見た目の割りに幼い声でそう言った。
「……と言うことは、故意の行いと言うことだね。今日は君の番だろうに」
 僕は必死に自転車を漕いできたために上がりきってしまった息を懸命に整えながらそう言った。
 千夜子は、僕と同じアパートのお隣さんで、お互いに低血圧で朝に弱いため、同盟を組んでいた。学校のある日は交互に互いを起こしあう、と言う何とも情けない同盟。昨日、木曜日は僕が起こしに行ったので今日は千夜子の番のはずだった。
 僕が恨みがましく千夜子の顔を見ていると、彼女は長く黒い髪を両手で首の前に流しながら、「羽元(はもと)君が悪いんじゃん」と言った。
「……何が悪いって?」
「いいよ、もう」
 何故だろう。何故泡を食わされた僕の方がそんな責めるような目で見られねばならないのだろう。
 納得の行かない気持ちで頭を掻きながら自分の席にカバンを置く。僕の席は千夜子の隣。何時までも視線を突き刺されるのを防止するために、教室の後ろの方の机も何もないスペースへ歩いた。そこで朝っぱらから寝転がり、寝たふりをしている馬鹿男の腹に上履きを履いたまま右足を置き、少しずつ体重をかけた。
「ん? んんんん? い……痛え! 鋭い痛みがゆっくりやってくる! うおあああああああああっ」
 イタリア人みたいな悲鳴を上げた。
「ッて何しやがるクー!!」
 跳ね起きてそう叫ぶ。
 クー。僕のあだ名だ。嫌がる素振りをしているが、実は気に入っている。
「その台詞は、朝から学校の教室で女子の下着を覗こうとする不埒物にこそ向けられるべきだと思うね」
 まぁ、既にこいつに近づく女子生徒など皆無に等しいので特に問題はないだろうけど。
「この馬鹿がっ! ロマンを解せない現代の奴隷が!! 下着は一体何のためにある? 履くため!? 否!! 覗くためにあるのだ――ッ!!」
 制服についた上履きの跡を懸命に払いながら、室田克雄(むろたかつお)は僕に指を突きつけそう叫んだ。
「……壊滅的だ。救いようが無いね。君が言うように僕が現代の奴隷であるのなら君はさしずめ性欲の奴隷かい? ところで知ってるかい? 性欲と言うものは単体生物でもない限りありとあらゆる生命に存在するんだ。それに追従し征服されているようではもはや君を人間と認めることさえ難しいね」
 言いながら、僕は脳が目覚めていくのを感じた。朝はやはり克雄をいじるに限る。思考能力の回復にはもってこいだ。動きがいちいち新鮮だし。
 すっきりした僕は「グルルルル」と歯噛みする克雄を放置し、席に戻った。弁当と筆記用具、ノート1冊、それに小説しか入っていないカバンを、机についているフックにかける。時計を見ると、ST(小中学校で言う、朝の会のようなものだ。高校でもそう言うところはあるらしいが)まであと2分程度。トイレに行こうかと思ったが時間が足りない。後にしよう。

※この小説(ノベル)"青い音符"の著作権は人間とマナブさんに属します。

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この小説(ノベル)へのコメント (2件)

莉遠

'08年2月12日 00:49

深いよ、これは!!

終わり方とか、なんか本当に見事だなぁーーと
しかも、小説に歌詞を使うとか、なんか自分の能力を
最大限にーー という感じがして凄く好感も持てました!!
大切だからこそ、の行動
人は  の辺とか
なんか、凄いみごとだなぁーと思いました!!
次回作も期待してますよんっ!!

人間とマナブ

'08年3月1日 22:13

オトシキ

返事送れて申し訳ないです;

>しかも、小説に歌詞を使うとか、なんか自分の能力を
>最大限にーー という感じがして凄く好感も持てました!!
でもあそこはちょっと苦肉の策だったんですよね;
もう少し上手いやり方できたらよかったのですが。

次回作、がんばります!
がんばってますw;;

……終わりが見えねーw

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