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鮮やかな季節 (完結作品)

作:第1回みんなのライトノベルコンテスト作品 / カテゴリ:みんなのライトノベルコンテスト(フリー) / 投稿日:'08年3月3日 22:17
ページ数:6ページ / 表示回数:0回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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6.8月の第一土曜日

 8月に入って、実家へ帰った。
 3年ぶりの地元の景色は、さして変わらない。

 「おかえりー」
 「……ただいま」
 俺が玄関のドアを開けるより早く、美咲――ねえさんが出迎えた。
 リビングには兄貴と加奈子さんがソファに座ってテレビを見ながら笑っていた。
 「「あ、おかえりー」」
 2人の声が重なった。
 「裕紀君、予定より遅いじゃん」
 加奈子さんがソファから立ち上がって言った。
 「乗り遅れたから次の電車に乗ったんだ。それより、駅まで迎えに来るのを少し期待してたんだけど。メールに時間書いただろ」
 「でも1本遅いのに乗ったんだよね?」
 「…………」
 言い返すことは出来なかった。
 
 思えば今日は8月の第一土曜日、夏祭りの日だった。
 夏祭りは、俺が美咲に失恋した年を最後に3人で行くことはなくなった。
 中学3年のときは受験を理由に行かず、高校へ入ってからは学校の友達と行くようになったからだ。
 「俺らは午後7時ごろ、祭りに行こうと思ってるんだけどどう?」
 兄貴が、俺と加奈子さんに聞いた。
 「私達はいい。2人で楽しんで」
 加奈子さんは、そのあと俺に「私達は花火だけ見よう」と言った。
 
 午後8時前、加奈子さんが案内した場所は左右が田んぼの道路だった。歩道のところに、持参した小さな折りたたみ椅子を広げ、腰をかける。
 俺たちのように場所をとっている人以外、人通りはほとんどない。
 「いい場所でしょ。河川敷の方と比べたら人が少ないし」
 「うん。なんだか落ち着く場所だね」
 
 花火が始まった。
 今まで見てきた花火より感動的で暖かい気持ちになった。そして、今までにあったことを振り返る。
 俺の初恋は実らなかった。けれど、今こうして一番好きな人が出来て、隣にいるだけで、今までに経験した辛かったこと悲しかったことを乗り越えてよかったと思える。これから辛いこと悲しいことがあっても乗り越えようと思える。そのようなエネルギーを加奈子さんは与えてくれた。
 次は俺が与える番だ。
 来年もその先もずっと、今の気持ちを忘れない。

 「加奈子さん、来年も来よう」
 「うん、約束」

 ひときわ輝く花火が頭上に咲いた。

※この小説(ノベル)"鮮やかな季節"の著作権は第1回みんなのライトノベルコンテスト作品さんに属します。

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