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鮮やかな季節 (完結作品)

作:第1回みんなのライトノベルコンテスト作品 / カテゴリ:みんなのライトノベルコンテスト(フリー) / 投稿日:'08年3月3日 22:17
ページ数:6ページ / 表示回数:292回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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5.季節はめぐって

 あれから何回の夏が過ぎただろうか。
 俺は東京の大学に通うため、東京で一人暮らしを始めた。それまで家事を一切しなかったため、色々と苦労した。人間、やればできるものだ。今では炊事洗濯は一通りできるようになった。
 
 大学4年の6月、兄貴と美咲が結婚式を挙げた。
 会場で久しぶりに加奈子さんと会った。
 加奈子さんとは、あの夏から何度も会ってゲームをしたりボーリングに行ったりしていたが、俺が東京へ出てからは一度も会っていなかった。
 「大学はどう?」
 「それなりに楽しいよ。加奈子さんは……」
 言いかけて、キラリと光る薬指が目に入った。
 「その指輪……」
 自分でもおかしいと思うくらい動揺していた。
 「ああ、これ?」
 加奈子さんは指輪を外して小ぶりのバッグにしまった。
 「やっぱやめた。見栄はってもしょうがないもんね」
 「見栄……」
 ほっとするなんておかしい。本当に結婚してもそれは喜ばしいことじゃないか。第一、3年間弱会っていなかった人にこういう感情をもつものなのか。
 「最近、友達も職場の人も結婚続きで、ちょっと気にしてたのよね」
 「加奈子さんはまだ23歳でしょ?」
 「でも、あと半年で24歳。30歳なんてあっという間よ!」
 失礼だけど、加奈子さんもそういうことを気にするんだなと思った。
 「今、彼氏いないんですか」
 「なに、その言い方は。彼氏いるんですかって聞いてよ」
 「いるんですか?」
 「……いないけど……」
 
 加奈子さんを改めて見た。
 俺が中学生のころは加奈子さんとあまり身長が変わらなかったが、高校に入ってまもなく追い抜いた。
 会ったばかりのころは、ただの兄貴と美咲の同級生だったが、友達になった。
 2人で出掛けることも少なくなかった。
 出掛けた先で俺の友達に会って――「女連れてる」とからかわれて、「そういうのじゃないから」と言ったこともあった。
 本当にそういうのじゃなかったのにな。

 「加奈子さん、だったら俺にしない」
 普段言わないような小恥ずかしいセリフを言ったら、笑われた。
 「なにそれ。東京の女の子に言ってるの、そういうこと」
 「言わないよ」
 真顔で言うと、加奈子さんも真面目に言った。
 「これって告白?」
 「うん」
 「結婚式のムードに流されてない?」
 「……たぶん」
 たぶんって何よ、と言いながらも加奈子さんは俺の手を取った。


















※この小説(ノベル)"鮮やかな季節"の著作権は第1回みんなのライトノベルコンテスト作品さんに属します。

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